病害虫と雑草の情報を、電子ブックとデータベースで公開

特集

雑草別の防除方法

雑草 防除方法
  • こまめな刈り取り管理が重要です。雑草の刈り株を畦畔に残したり、刈り株を水田内に落としたすると再生するおそれがあるので、雑草を水田内に残さずに取り除きます。
  • 水田内に侵入する前の個体であれば、グリホサート剤や、グルホシネート剤などの非選択性茎葉処理剤での防除が有効です。
  • 水田内での発生が見られたら、シハロホップブチル乳剤の茎葉処理が有効。アゼガヤで草丈60㎝までに散布することで高い効果があります(アシカキには効果がありません)。
  • 畦畔から侵入するキシュウスズメノヒエ防除には、侵入茎が1m以内の時期にシハロホップブチル乳剤を株全体に散布します。その際、畦畔の株元にも散布すると有効です。
  • 有効な一発処理剤が多数普及しています。多くはエゾノサヤヌカグサ2葉期までの処理で有効です。
  • 残ってしまった場合は、中・後期剤のベンタゾン剤の茎葉処理が有効です(但し、1〜4葉期まで)。
  • 耕起前に生育しているものは、非選択性の茎葉処理剤を散布して防除します。
  • 代かき後の再生株が問題になることが多いので、ていねいに代かきをして、植物体を土の中に埋めることで再生を防ぐことができます。
  • 水稲の移植直後では、イボクサに効果の高い成分を含む除草剤で防除することが重要です。ピラゾレート、ピラゾキシフェン、ベンゾフェナップ、ベンゾビシクロン、インダノファン、フェントラザミド、プレチラクロール、メフェナセット、ベンチオカーブなどを含む除草剤で対応します。
  • 残った場合は、大きくならないうちにMCPBやMCPを含む中・後期剤で防除します。
  • 生育したイボクサに対しては、ビスピリバックナトリウム塩液剤のイボクサ茎長30㎝までの時期の茎葉処理が有効です。
  • 耕起・代かきをていねいに行い、水田を均平にして田面を露出させないことが大切です。
  • SU剤やピラクロニルを含む剤で有効性が確認されていますが、発生期間が長く、田面が露出した部分があると後から発生してしまうため、注意が必要です。
  • 初期防除で残ったものは、シメトリン、MCPBを含む中期剤やシハロホップブチル・ハロスルフロンメチル・ジメタメトリン・ベンゾビシクロン粒剤で枯殺します。
  • 生育したクサネムに対しては、ビスピリバックナトリウム塩液剤の草丈40㎝以下の時期での茎葉処理が有効です。また、クサネム草丈30㎝以下の時期のベンダゾンやMCPを含む剤の茎葉処理も有効です。
  • できるだけ水深を深くし(5㎝以上)、その状態を保つことで、出芽や生育を抑えられます。
  • SU剤を含む一発処理剤を散布して、その後発生したものは、MCPBやベンタゾンを含む中期剤や後期剤で防除します。
SU剤
少ない薬量で幅広い雑草に効果の成分(スルホニルウレア系成分)を含んだ、近年の水田除草剤の総称。多くの一発処理剤に含まれる成分です。スルホニルウレア系成分には、ベンスルフロンメチル、ピラゾスルフロンエチル、イマゾスルフロンなどがあります。

監修:公益財団法人 日本植物調節剤研究協会