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特集
野菜病害の見分け方

キュウリ

葉の症状 葉に病斑が現れた・・・

斑点細菌病

葉の表の病斑

葉の表の病斑

葉の裏の病斑

葉の裏の病斑

べと病

葉の表の病斑

葉の表の病斑

葉の裏の病斑

葉の裏の病斑

炭疽病

葉の表の病斑

葉の表の病斑

斑点細菌病 べと病 炭疽病
病原微生物 細菌
Pseudomonas syringae pv.
lachrymans
糸状菌
Pseudoperonospora
cubensis
糸状菌
Colletotrichum
orbiculare
病徴 ●病斑は角型でべと病に似ているが、葉裏は水浸状で白い菌泥跡がある。 ●病班は角型で斑点細菌病に似るが、裏面には無精ひげに似たうす黒いカビが見られる。 ●病班は主に若葉に生じ、葉脈に関係なく円形に広がる。湿度が高いとき、肉色のべっとりした胞子塊が見られる。

茎の病状

つる枯病

地際部の症状

地際部の症状

病斑上に形成された多数の小黒点

病斑上に形成された多数の小黒点

つる割病

黄褐色に変色した茎

黄褐色に変色した茎

地際部の症状

地際部の症状

つる枯病 つる割病
病原微生物 糸状菌
Didyimella bryoniae
糸状菌
Fusarium oxysporum f.sp. cucumerinum
病徴 ●主に地際部の茎に発生し、淡褐色、水浸状の病斑を生じ、軟化腐敗する。病斑は乾くと灰白色になる。
●病斑上には多数の小黒点(柄子殻や子のう殻※)を形成する。
※柄子殻や子のう殻はルーペ等を使うことで確認できます。
●茎の地際が黄褐色になり、ヤニを出して萎れて細くなる。
●時に縦の割れ目ができる。
●病斑部には白色?淡紅色のかびを生じ、茎を切断すると導管部が褐変している。

つる割病とつる枯病の病徴について

過去、キュウリの病害で特に問題になっていたのは、つる割病のほうでした。つる割病の原因となる病原菌は根から侵入して茎(導管)を伝って広がり、始めに全体が萎れるという特徴があります。よって、耐病性台木を用いることで発生をかなり防ぐことができます。
その一方で、つる枯病の病原菌は植物体の表面から侵入するため、台木の使用に関わらず発生します。台木の有無でも、病気を判別する手がかりになります。

地際部の症状

つる割病で萎凋した株と茎の末期病徴。接ぎ木した株では、このような症状は発生しない。

監修 : 元・農林水産省農業研究センター所長 岸 國平