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ミナミトゲヘリカメムシ

Paradasynus spinosus Hsiao

カメムシ目ヘリカメムシ科

2015-07-15 最終更新

南方系の大型のカメムシで沖縄県ではシークヮーサーをはじめとするカンキツ果実での被害が大きい.南西諸島,九州,四国,茨城以西の本州太平洋側に分布する.

形態:
体長は16~23mm.背部は暗緑色,腹部は淡黄緑色の大型のカメムシ.オオクモヘリカメムシに似るが,前胸部の側角が鋭いことで容易に区別できる.1~4齢幼虫は腹部が鮮やかな橙色をしているが,5齢幼虫は暗緑色になる.

加害作物:
【果樹】カキ,カンキツ,スモモなど.とくに沖縄ではシークヮーサーの主要害虫となっている.

被害と生態:
沖縄では5月下旬~12月下旬までシークヮーサー樹上で成虫がみられ,この間2回程度繁殖し,成虫・幼虫ともに果実を吸汁加害する.吸汁された果実は落果するため収量が減少する.九州地方では,ウンシュウミカンでは6月と9月~11月,カキとスモモでは6月に果実で被害がみられる.野外での寄主はシロダモ,シロモジ,タブノキ,ヤブニッケイなどのクスノキ科の植物で,沖縄ではヤブニッケイ樹上で成虫越冬する.
(2011.10.26三代浩二)

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ミナミトゲヘリカメムシ成虫(三代浩二)

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ミナミトゲヘリカメムシ成虫(三代浩二)

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シークヮーサー葉上のミナミトゲヘリカメムシ4齢幼虫(三代浩二)

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シークヮーサー葉裏のミナミトゲヘリカメムシ卵塊(三代浩二)