病害虫・雑草の情報基地

新規会員登録

最新情報 農業害虫

バラハオレタマバエ

Contarinia sp.

ハエ目タマバエ科

2015-07-15 最終更新

1998年以降,各県のバラ栽培施設で発生が報告されている.現在のところ,種名は未確定で,侵入種か土着種かは不明である.
1998~2003年にかけて,青森,岩手,宮城,静岡,広島,山口,香川,福岡,佐賀,大分の各県のバラ栽培施設で相次いで発生が確認され,また,その後も,奈良,三重,愛知,島根,愛媛,熊本,宮崎県で報告されている.

形態:

成虫の体長(翅長)は約3mm.幼虫は体長1~2mmで乳白色~黄色である.

加害作物:
【花卉】栽培バラ.

被害と生態:
展開途中の新葉が加害される.成虫は新葉に産卵し,幼虫が中肋を加害する.被害葉は正常に展開せず,折りたたまれた葉折れ状になる.高密度時には花弁(蕾)も加害され奇形花となる.葉折れ状の葉の内側には乳白色~黄色で体長約1~2mmの幼虫が多数見られる.幼虫はジャンプする.幼虫は3齢を経過すると葉から離脱し,土壌のごく浅い部分で蛹化する.多化性で,初夏に被害が多いが夏期にはほとんど見られなくなり,秋に再び多くなる.
野生のノイバラやハマナスにも類似の虫えいが見られるが,別のタマバエ Dasineura sp. によるものである.このタマバエの幼虫はジャンプしない.最近,奈良県ではDasineura sp. が栽培バラでも見つかっているので,両者の区別を厳密に行う必要がある.
(2011.12.30 上地奈美)

写真をクリックすると拡大します

閉じる

バラハオレタマバエ成虫(河村俊和)

閉じる

バラハオレタマバエ成虫(河村俊和)

閉じる

バラハオレタマバエ成熟(3齢)幼虫(徳田誠)

閉じる

被害葉(徳田誠)