2015-07-15 最終更新
幼虫はハマオモトやアマリリスなどに発生し葉肉内を潜って食害することが多い．本州，四国，九州，伊豆諸島，屋久島，種子島に分布．国外では東南アジア，オーストラリア，ヨーロッパ，アフリカなど．
形態：
幼虫は体長40mmほどに成長する．刺毛がやや目立ち，刺毛基板は黒色でやや隆起する．頭部および腹脚5対は茶褐色，胴部は紫黒色で各節の前後端に4つの白斑をもつ．成虫は開張35～44mm．全体に黒味を帯びる．前翅中央部にはやや大きな斑紋をもつ．頭部，胴部，脚部は黒く，跗節のみ白黒のまだら模様である．蛹は黒褐色で約20mm．
加害作物：
【花卉】アマリリス，インドハマユウ，オオハマオモト，キツネノカミソリ，スイセン，タマスダレ，ハマオモト，ヒガンバナなどヒガンバナ科．
被害と生態：
雌成虫が数十個の卵をハマオモトなどの葉上に産み付け，孵化した幼虫はすぐに潜葉し葉肉を食害しながら成長することが多い．老熟幼虫期までそのまま潜葉し続けることもあれば，若齢幼虫期に葉から脱出して，そのまま成長することも多い．ハマオモトの芯部に潜って食害することもある．芯部を加害されると大量の糞が芯から排出されているのがわかり，著しく生育も阻害される．老熟すると株上や株元で蛹化する．蛹で越冬し，4月ころから秋まで年に2～3回発生を繰り返す．
（2011.11.28 竹内浩二）
ハマオモトヨトウ成虫（竹内浩二）
ハマオモトヨトウ老熟幼虫と蛹（竹内浩二）
ハマオモトヨトウ中齢幼虫の葉内潜行・黒いものは糞（竹内浩二）
ハマオモトヨトウ卵塊と若齢幼虫の葉内潜行（竹内浩二）
