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ナスミバエ

Bactrocera latifrons (Hendel)

英名:Solanaceous fruit fly,solanum fruit fly,Malaysian fruit fly

ハエ目ミバエ科

2015-07-15 最終更新

ナス科植物を加害する植物検疫対象の侵入害虫.東南アジアや中国南部,台湾などに分布し,ハワイやアフリカに侵入した.日本においては1984年に沖縄県与那国島で発見された.同島では1986年以降確認されなかったが,1999年に再発見され,2004年までに島の全域に分布を広げ定着した.沖縄県では,まん延防止のため不妊虫放飼法による防除が実施され,与那国島のナスミバエは2011年8月に根絶が確認された.しかし,2010年には沖縄島にも侵入しており,他の島々への分布拡大に注意が必要である.旧称マレーシアミバエ.

形態:
成虫の体長6~7mm.胸部背面は黒色で両側に黄色の縦帯があり,小楯板は黄色で1対の刺毛がある.腹背は褐色,T字紋を欠く.前翅は透明で前縁に黒状,翅先に丸い黒紋がある.卵は白色,バナナ状で長さ約0.8mm.幼虫はいわゆるウジで,終齢幼虫の体長は約8mm.蛹は淡褐色の俵型.成虫は一見ミカンコミバエ種群に似るが,ナスミバエは腹背にT字紋がないこと,前翅先に黒紋があることで前者と識別できる.

加害作物:
【野菜】キダチトウガラシ,トウガラシ,トマト,ナス,ピーマン.

被害と生態:
果実への寄生は周年みられ,年7世代と推定される.春・夏季に発生が多く,ピークは6月,冬季の発生は少ない.雌成虫が果実に産卵管を刺し,内部に卵をうみつけ,幼虫が果実内部を食い腐らす.老熟幼虫は果実から脱出し,跳ねて地面の割れ目などに潜り,地中で蛹化する.主要な寄主植物はナス科であるが,そのほかにウリ科など13科49種の植物が寄主として記録されている.沖縄では野生寄主としてナス科のテリミノイヌホオズキとイヌホオズキなど,ウリ科のオキナワスズメウリが記録されている.
26.5℃の飼育条件で,平均発育期間は,卵2.3日,幼虫8.5~9.0日,蛹10.2~11.7日,産卵前期間は約11日,雌成虫の寿命は約60日,日当たり産卵数は10~30個,生涯産卵数は256~945個である.繁殖適温は24~29℃,16℃ではほとんど産卵しない.
(2011.11.14 小濱継雄)

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ナスミバエ雌成虫(小濱継雄)

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ピーマンを加害するナスミバエ幼虫(小濱継雄)

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キダチトウガラシの被害果実(小濱継雄)