2015-07-15 最終更新
マタタビ科のミヤママタタビ,サルナシを寄主とする昆虫であったが,2004年にキウイを加害することが確認され,その後福岡県,愛媛県などのキウイでも被害が認められるようになった.本州,四国,九州に分布する.
形態:
成虫はハチに似た外観で,雄では開張30~40mm,雌では開張38~45mmである.体色は黒色で,腹部に2本の黄色の帯がある.前翅は黄褐色,後翅は透明である.卵は小豆色,直径1mmの平たい楕円形で,中心部がややくぼんでいる.卵は葉柄基部にとくに多く,枝分岐部などでも認められる.
加害作物:
【果樹】キウイ
被害と生態:
キウイの枝,幹などの樹皮下を食害し,食害部位には茶褐色の虫糞が認められる.他のスカシバ類と同様に,蛹殻を加害部表面に残す.年1回の発生で,成虫は9~10月中旬に羽化する.卵で越冬し,4月に孵化した幼虫は,5月には1年生の新梢の基部や葉の着生部に食入し,虫糞を排出する.6月ころには2年生以上の枝に移動し,食害する.
(2011.10.3 新井朋徳)