診断のための特徴的な写真を掲載し、被害、発生、防除、薬剤(農薬)について簡潔に解説しています。
ふ化幼虫は集団で表皮を残して葉裏を食害するため、産卵された葉は白変する。幼虫が大きくなると葉に大きな孔をあけ、ひどい場合には葉脈だけになる。また、中・成熟幼虫になると果実に食入し、内部を食い荒らす。
ナス、ピーマン、トマトなどナス科作物はもとよりキャベツなどのアブラナ科野菜等広範囲に及ぶ。
関東以西の温暖な地域では春と秋の2回発生で、夏季には夏眠する。しかし、夏季冷涼な地域では夏眠せず、年2回発生する。被害は関東以西の温暖な地域では5月と9〜10月に多く、冷涼な地域では9〜10月に集中する。越冬は土中で蛹で行う。雌成虫は葉裏に数百個の卵をかためて産みつける。1〜3齢幼虫は緑色で、シャクトリムシのような歩行をする。成長すると淡褐色〜暗褐色になり、昼間は株元などに潜み、夜活発に食害するようになる。幼虫は6齢を経て土中で蛹化する。発生は雨の少ない年に多い傾向がある。
施設栽培や雨除け栽培では側窓、天窓への防虫ネット被覆、防蛾灯(黄色蛍光灯)の点灯で発生を抑制できる。また、幼虫が集団で食害している時期に葉ごと除去する。多発時には薬剤による防除が必要になる。幼虫が大きくなると薬剤の効果が劣るので、若齢幼虫の防除に努める。
コテツ、BT剤(サブリナ、ゼンターリ、フローバック等)。作物によって登録内容が異なるので注意する。
※掲載している薬剤(農薬)は
2022年1月末現在登録のあるものから抜粋しています。
農薬の使用にあたっては必ずラベルを確認し、地域の防除暦や病害虫防除所等の指導に従ってください。
■農薬の登録情報について
最新の登録情報はこちらのページをご確認ください。(農林水産省 農薬登録情報提供システム)
■農薬の作用機構分類(国内農薬・概要)について
薬剤抵抗性の発達を回避するため、同一系統薬剤の連用を避け、ローテーション散布を心がけてください。
農薬の系統別分類はこちら
(国際団体CropLife International (CLI) の対策委員会が取りまとめた殺虫剤、殺菌剤、除草剤の分類表をクロップライフジャパンが日本語に翻訳:外部サイト)
RACコード(農薬の作用機構分類)
※実際の薬剤抵抗性対策については、お近くの病害虫防除所等関係機関などの指導に従ってください。
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