葉に白色の小斑点が生じ、ひどくなると褐変落葉する。被害が激しい場合には、生育が抑制される。ピーマンでは加害されると白色の小斑点が生じるだけでなく、葉脈間が黄化し、落葉しやすくなる。トマトではナス、ピーマンに比べると発生頻度は低い。
ナス、ピーマンなどナス科、スイカ、メロンなどウリ科、イチゴ等広範囲に及ぶ。
苗による持ち込み、周辺雑草からの歩行、風による飛来、作業者の衣服への付着などによって侵入する。圃場での発生は、初めは局所的であるが、徐々に面的な広がりになる。カンザワハダニ、ナミハダニ(黄緑色型)は短日、低温条件下で休眠するが、赤色型のナミハダニ(かつてニセナミハダニと呼ばれていた)は休眠をしない。黄緑色型のナミハダニも休眠個体は朱色を呈する。施設栽培では加温、無加温を問わず、いずれのハダニも冬季にも休眠することなく繁殖するため、栽培期間を通じて発生する。ただし、通常発生の多い時期は、気温が高くなり始める3月以降である。露地栽培や雨除け栽培では梅雨明け以降、発生が多くなる。発生は高温、乾燥条件下で多くなる。適温下での卵から成虫になるまでの期間は約10日であり、発生すると短期間内に高密度になる。密度が高くなると糸を吐き、クモの巣のようなネットを張り、葉先、生長点部あるいは支柱の先端に集まってコロニーを形成し、糸を吐いて風に乗って分散を始める。いずれのハダニも両性生殖と単為生殖を行うが、単為生殖の卵から産まれた個体は全て雄になる。
天敵としてチリカブリダニ剤(スパイデックス、チリカブリ、チリカ・ワーカー、チリトップ)、ミヤコカブリダニ剤(スパイカルEX、スパイカルプラス、ミヤコスター、ミヤコトップ)等が市販されている。多発時には薬剤による防除が必要。
アグリメック、カネマイト、グレーシア、コテツ、コロマイト、サンヨール、スターマイト、ダニオーテ、ダニサラバ、ダニトロン、粘着くん、バロック、ピラニカEW、マイトコーネ・ダニ太郎、マシン油(ラビサンスプレーなど)、モベント等。なお、作物によって登録内容が異なるので注意。
※掲載している薬剤(農薬)は
2022年1月末現在登録のあるものから抜粋しています。
農薬の使用にあたっては必ずラベルを確認し、地域の防除暦や病害虫防除所等の指導に従ってください。
■農薬の登録情報について
最新の登録情報はこちらのページをご確認ください。(農林水産省 農薬登録情報提供システム)
■農薬の作用機構分類(国内農薬・概要)について
薬剤抵抗性の発達を回避するため、同一系統薬剤の連用を避け、ローテーション散布を心がけてください。
農薬の系統別分類はこちら
(国際団体CropLife International (CLI) の対策委員会が取りまとめた殺虫剤、殺菌剤、除草剤の分類表をクロップライフジャパンが日本語に翻訳:外部サイト)
RACコード(農薬の作用機構分類)
※実際の薬剤抵抗性対策については、お近くの病害虫防除所等関係機関などの指導に従ってください。
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