診断のための特徴的な写真を掲載し、被害、発生、防除、薬剤(農薬)について簡潔に解説しています。
土壌中の線虫の密度が高いと植物の生育の初期から発病する。地上部の株全体の生育が不良となり、葉は小さく、生気がなく、萎れ、黄変し、ついには枯死する。根菜類では根の生育が不良となり、また植物表面に寄生痕が生じる。根こぶ線虫病では被害株の根部には大小のこぶが多数発生する。こぶの表面は平らで亀裂は少ない。根腐線虫病では細根先端の褐変や腐敗脱落がみられる。ダイコンでは根部にやや膨らんだ小点を多数形成する。
根こぶ線虫病:キュウリ、トマト、ナス、ニンジン、ピーマン等。
根腐線虫病:カブ、ダイコン、トマト、ニンジン等。他に花卉類にも両病が発生する。
線虫は土壌や罹病植物残渣中に生存し、好適植物が植えられると活動を起こす。雨水がたまる場所は線虫が移動しやすく、被害が集中する。
連作をしない。根にこぶが発生しているような苗は畑に植えない。発病圃場は土壌消毒を行う。数年に1回はクロタラリア(根こぶ線虫に有効)、マリゴールド(根腐線虫に有効)等の対抗植物を植え、線虫の密度を下げる。
ガードホープ、ネマモール、パダン等。土壌消毒:キルパー、D-D、NCS等(土壌消毒剤は取扱いに注意する)。定植・播種前施用:ネマトリン、ネマトリンエース、ラグビーMC等(作物ごとに登録を確認して使用する)。※掲載している薬剤(農薬)は
2018年1月末現在登録のあるものから抜粋しています。
農薬の使用にあたっては必ずラベルを確認し、地域の防除暦や病害虫防除所等の指導に従ってください。
■農薬の登録情報について
最新の登録情報はこちらのページをご確認ください。(農林水産省 農薬登録情報提供システム)
■農薬の作用機構分類(国内農薬・概要)について
薬剤抵抗性の発達を回避するため、同一系統薬剤の連用を避け、ローテーション散布を心がけてください。
農薬の系統別分類はこちら
(国際団体CropLife International (CLI) の対策委員会が取りまとめた殺虫剤、殺菌剤、除草剤の分類表をクロップライフジャパンが日本語に翻訳:外部サイト)
RACコード(農薬の作用機構分類)
※実際の薬剤抵抗性対策については、お近くの病害虫防除所等関係機関などの指導に従ってください。
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