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アブラナ科野菜の病害虫

診断のための特徴的な写真を掲載し、被害、発生、防除、薬剤(農薬)について簡潔に解説しています。

ワラジムシ・オカダンゴムシ


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ワラジムシ・オカダンゴムシ
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ワラジムシ ©平井一男

ワラジムシ・オカダンゴムシ
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越冬中のワラジムシとオカダンゴムシ ©平井一男


ワラジムシ

Porcellio schaber

ワラジムシ目ワラジムシ科

オカダンゴムシ

Armadillidium vulgare

オカダンゴムシ科

被害

ワラジムシやオカダンゴムシは主に落ち葉や雑草などの腐植物質を好むが、野菜や園芸作物の芽や新葉も食害する。越冬中のハクサイでは外葉内側に入り食害されるほか、庭先に保存中のハクサイやキャベツなども加害されることがある。

発生

ワラジムシ(別名ゾウリムシ)は日本全土に分布する。体長約12㎜、灰褐色~暗灰色で、体は扁平でワラジ型をしている。 胸部7節、腹部5~6節からなり、各節に脚を1対有する。畑、住居や作業室周辺の木材や石の下や草の間の地面に普通に見られる。背面は楕円形で、ダンゴムシとは異なり前後が狭まる。また、背中はなだらかに盛り上がるだけでやや扁平である。世界共通のオカダンゴムシ(別名ダンゴムシ)も住居や庭先周辺で見かける。体長はワラジムシとほぼ同じ。頭部には1対の触角が見られ、胸部には7対の脚があり、腹部は6節からなる。背面は丸く盛り上がり、腹面は平らで、刺激を受けると、腹面を内側に丸まり、ほぼ完全な球形になる。これがダンゴムシの名の由来になっている。

防除

ワラジムシやオカダンゴムシは清耕した畑では多発しにくいので、栽培開始前や栽培期間中に圃場清掃を行うなど、寄せ付けない耕種的な防除に努める。収穫後などの野菜類を落ち葉や雑草、廃棄土、コンクリートの上に直接置くとワラジムシやオカダンゴムシが寄って来て加害するので注意する。

薬剤(農薬)

キャベツ、はくさいのダンゴムシ防除剤としてカーバメート系(デナポン)と混合剤(グリーンベイト)、クロチアニジン粒剤(ネキリスター)が登録されている 。

(平井一男)

※掲載している薬剤(農薬)は 2022年1月末現在登録のあるものから抜粋しています。
農薬の使用にあたっては必ずラベルを確認し、地域の防除暦や病害虫防除所等の指導に従ってください。


■農薬の登録情報について
最新の登録情報はこちらのページをご確認ください。(農林水産省 農薬登録情報提供システム)

■農薬の作用機構分類(国内農薬・概要)について
薬剤抵抗性の発達を回避するため、同一系統薬剤の連用を避け、ローテーション散布を心がけてください。

農薬の系統別分類はこちら
(国際団体CropLife International (CLI) の対策委員会が取りまとめた殺虫剤、殺菌剤、除草剤の分類表をクロップライフジャパンが日本語に翻訳:外部サイト)

RACコード(農薬の作用機構分類)

※実際の薬剤抵抗性対策については、お近くの病害虫防除所等関係機関などの指導に従ってください。

収録:防除ハンドブック「 アブラナ科野菜の病害虫

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