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アブラナ科野菜の病害虫

診断のための特徴的な写真を掲載し、被害、発生、防除、薬剤(農薬)について簡潔に解説しています。

モモアカアブラムシ

Myzus persicae
ヨコバイ目アブラムシ科

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モモアカアブラムシ
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コマツナ葉の無翅虫のコロニー ©竹内浩二

モモアカアブラムシ
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有翅型幼虫(a)と無翅虫 ©竹内浩二

モモアカアブラムシ
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無翅、有翅虫を含むニセダイコンアブラムシとの混棲コロニー(ダイコン)  ©竹内浩二


被害

世界的に著名な農業害虫。ワタアブラムシとともに広食種の代表。葉裏や幼芽に寄生し、汁液を吸汁して、葉の黄化や萎縮を引き起こす。多発すると吸汁被害に加えて排泄物(甘露)にすす病が発生し、脱皮殻で汚れが目立ち、生育不良となる。また、キュウリモザイクウイルス(CMV)、カブモザイクウイルス(TuMV)、カリフラワーモザイクウイルス(CaMV)などを媒介し、ダイコンモザイク病などを引き起こす。

被害作物

コマツナ、ハクサイ、ミズナ、カブ、キャベツなどのアブラナ科野菜のほか、ウリ科、ナス科野菜、ホウレンソウ、ゴマなどきわめて多くの作物、花卉類、果樹類に寄生する。

発生

無翅胎生雌虫の体長約2㎜、淡緑~淡黄緑色のものと淡赤色のものがあり、白粉を欠く。体長は無翅虫で1.8~2.0㎜で、体色は名前の由来である赤色だけでなく緑色、黄緑色、赤褐色と変化がある。角状管、尾片は体色と同色。体表には光沢がある。 季節により寄主転換するアブラムシとして知られ、一次寄主はモモ、スモモなど、二次寄主はアブラナ科など様々な植物が知られる。関東以西では寄主を移動する個体群と、しない個体群が見られる。盛夏の発生は少なく、春、秋に多くなる。ハウスで冬期加温するような栽培においては秋から春にかけても発生が継続する。卵越冬で春~秋には雌のみの単性生殖によって増殖する。裏に多く寄生しコロニーは大きくなる。

防除

有翅虫の飛来による増殖、寄生苗の持ち込みを防ぐ。コマツナなどのアブラナ科作物を苗床や圃場の近くで栽培することを避ける。施設などでは防虫網(1㎜目程度以下)で成虫の圃場への侵入を防ぐ。圃場では個体数が少ない発生初期に防除するようにする。圃場周辺に雑草が多いと発生を助長するので適切に雑草管理する。播種時および定植時の粒剤施用は有効である。

薬剤(農薬)

アベイル、アルバリン・スタークル、ウララDF、オルトラン、ダントツ、プリロッソ、ベネビア、ベリマーク、モスピランなど。作物ごとの登録を確認して使用する。

(竹内浩二)

※掲載している薬剤(農薬)は 2018年1月末現在登録のあるものから抜粋しています。
農薬の使用にあたっては必ずラベルを確認し、地域の防除暦や病害虫防除所等の指導に従ってください。


■農薬の登録情報について
最新の登録情報はこちらのページをご確認ください。(FAMIC:外部サイト)

■農薬の作用機構分類(国内農薬・概要)について
薬剤抵抗性の発達を回避するため、同一系統薬剤の連用を避け、ローテーション散布を心がけてください。

農薬の系統別分類はこちら
(国際団体CropLife International (CLI) の対策委員会が取りまとめた殺虫剤、殺菌剤、除草剤の分類表を農薬工業会が日本語に翻訳:外部サイト)

・殺虫剤(IRAC、2016年4月版 ver.8.1) *PDFデータ

・殺菌剤(FRAC、2017年4月版) *PDFデータ

・除草剤(HRAC、 2016年9月版 *Excelデータ

※実際の薬剤抵抗性対策については、お近くの病害虫防除所等関係機関などの指導に従ってください。

収録:防除ハンドブック「 アブラナ科野菜の病害虫

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