病害虫・雑草の情報基地

新規会員登録

アブラナ科野菜の病害虫

診断のための特徴的な写真を掲載し、被害、発生、防除、薬剤(農薬)について簡潔に解説しています。

マルガタゴミムシ

Amara chalcites
コウチュウ目 オサムシ科

写真をクリックすると拡大します

マルガタゴミムシ
閉じる

成虫 ©水越亨

マルガタゴミムシ
閉じる

被害痕(ダイコン)  ©水越亨

マルガタゴミムシ
閉じる

被害痕(カブ) ©水越亨

マルガタゴミムシ
閉じる

被害痕(ハツカダイコン ) ©水越亨


被害

成虫が根部を食害し、商品価値が低下する。食害痕は直径約5~10㎜の円形で、線状にはならず、内部が糞で汚れることも無い。北海道では融雪後に播種する春まきトンネル作型で被害が大きい。夏季には新成虫がダイコンやハクサイの稚苗を噛み切る被害のほか、林業苗圃では苗の食害や浮き上がりの被害もある。

被害作物

ダイコン、カブ、ハツカダイコンなどのアブラナ科野菜。

発生

日本全国の農耕地で普通に見られる。成虫の体長は約8.5㎜。成虫は夜間に活動するが、日中でも畑の中を歩行しているのがしばしば観察される。年1回発生。成虫態で土中に潜って越冬する。北海道では融雪後の4月中旬頃から活動を始める。落し穴式トラップ(ピットフォールトラップ)での捕獲盛期は6月で、7月以後は減少する。10月末まで畑に見られる。産卵期は6月で、新成虫は7月中旬~9月下旬に出現する。越冬成虫は7月~8月に見られなくなる。植食性で多くの雑草の種子を摂食する。農作物の害虫を捕食する天敵としても知られる。

防除

放任された休耕田で多発した成虫が畑に移動侵入し、被害が発生した事例があることから、圃場や周辺、 休耕地についても清掃や雑草防除などの管理に努める。

薬剤(農薬)

本種に対する登録薬剤はない。(水越亨)※掲載している薬剤(農薬)は 2022年1月末現在登録のあるものから抜粋しています。
農薬の使用にあたっては必ずラベルを確認し、地域の防除暦や病害虫防除所等の指導に従ってください。


■農薬の登録情報について
最新の登録情報はこちらのページをご確認ください。(農林水産省 農薬登録情報提供システム)

■農薬の作用機構分類(国内農薬・概要)について
薬剤抵抗性の発達を回避するため、同一系統薬剤の連用を避け、ローテーション散布を心がけてください。

農薬の系統別分類はこちら
(国際団体CropLife International (CLI) の対策委員会が取りまとめた殺虫剤、殺菌剤、除草剤の分類表をクロップライフジャパンが日本語に翻訳:外部サイト)

RACコード(農薬の作用機構分類)

※実際の薬剤抵抗性対策については、お近くの病害虫防除所等関係機関などの指導に従ってください。

収録:防除ハンドブック「 アブラナ科野菜の病害虫

目次へ戻る  | ホームへ戻る

稲の病害虫と雑草 |  ムギ類の病害虫 |  豆類の病害虫 | 
ジャガイモの病害虫 |  サツマイモの病害虫 |  アブラナ科野菜の病害虫 | 
  トマト・ナス・ピーマンの病害虫 |  キュウリ・スイカ・メロンの病害虫 |
   イチゴの病害虫 |  ネギ類の病害虫 |  菜園の病害虫 | 
カンキツの病害虫 |  リンゴの病害虫 |  日本ナシの病害虫 |
   西洋ナシの病害虫 |  モモの病害虫 |  カキの病害虫 | 
ブドウの病害虫 |  花の病害虫 |  難防除雑草