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アブラナ科野菜の病害虫

診断のための特徴的な写真を掲載し、被害、発生、防除、薬剤(農薬)について簡潔に解説しています。

ヘリジロカラスニセノメイガ

Evergestis holophaealis
チョウ(鱗翅)目ツトガ科

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ヘリジロカラスニセノメイガ
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卵 ©竹内浩二

ヘリジロカラスニセノメイガ
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中齢幼虫 ©竹内浩二

ヘリジロカラスニセノメイガ
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前蛹 ©竹内浩二

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成虫 ©竹内浩二

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ワサビの被害 ©竹内浩二

ヘリジロカラスニセノメイガ
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幼虫による食害痕と溝掘り行動 ©竹内浩二

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幼虫の溝掘り行動によるワサビ葉のしおれ ©竹内浩二


被害

幼虫が葉を主に葉裏から食害する。葉の付け根の部分を葉裏から茎に沿って丸く加害するために葉がしおれ、閉じた傘状となることもある。通常一枚の葉に1頭で食害しているが、複数が存在するような多発時には、地上部が食い尽くされ激しい被害になる。

被害作物

ワサビ(山間地)。

発生

幼虫の地色は淡緑色~淡赤褐色。刺毛がやや目立ち、体側の白線と背面の3本の白線が目立つ場合が多い。終齢幼虫は約25㎜となる。成虫は前翅長約13㎜、全体に青みをおびた黒色でやや光沢を持つ。顔面の両側、頸部などは淡黄色。 東京都奥多摩地域のほとんどの水系ワサビ圃場で発生し、本圃における虫害のうち現在もっとも被害が大きい重要害虫である。雌成虫が圃場に飛来して葉裏に透明な卵を1卵ずつ産付する。薄暗い日中は活発に行動する。東京では7~12月まで幼虫の発生が見られるが、成虫は6~7月と9~10月に多い。幼虫は成熟すると地上に降りて葉を巻いた繭を作り、その中で蛹化する。秋に発生した個体は、繭内で幼虫態のまま越冬する。北海道、本州、対馬に分布。年2回発生する。

防除

成虫の産卵を防虫網や寒冷紗で防止する。連作圃場では毎年繁殖を繰り返しているので、越冬幼虫を除去するよう圃場内の落葉などの除去を徹底する。

薬剤(農薬)

本種に対する登録農薬はない。

(竹内浩二)

※掲載している薬剤(農薬)は 2022年1月末現在登録のあるものから抜粋しています。
農薬の使用にあたっては必ずラベルを確認し、地域の防除暦や病害虫防除所等の指導に従ってください。


■農薬の登録情報について
最新の登録情報はこちらのページをご確認ください。(農林水産省 農薬登録情報提供システム)

■農薬の作用機構分類(国内農薬・概要)について
薬剤抵抗性の発達を回避するため、同一系統薬剤の連用を避け、ローテーション散布を心がけてください。

農薬の系統別分類はこちら
(国際団体CropLife International (CLI) の対策委員会が取りまとめた殺虫剤、殺菌剤、除草剤の分類表をクロップライフジャパンが日本語に翻訳:外部サイト)

RACコード(農薬の作用機構分類)

※実際の薬剤抵抗性対策については、お近くの病害虫防除所等関係機関などの指導に従ってください。

収録:防除ハンドブック「 アブラナ科野菜の病害虫

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