診断のための特徴的な写真を掲載し、被害、発生、防除、薬剤(農薬)について簡潔に解説しています。
症状が目立つようになるのは結球期以降である。はじめ外葉がしおれたり、V字型に黄褐変し枯れこみ、離脱しやすくなる。その後、症状は急激に進展し、しおれや生育不良となり、激しく発病すると結球葉が外側に開き、ハボタンのようになる。茎や葉の維管束部は黄褐色~黒褐色に変色する。下葉の地表に接する枯死葉にすす状の黒変部分(=病原菌の微小菌核)が観察される場合がある。
ハクサイ、キャベツ、ダイコンなどのアブラナ科作物の他、ナス、トマト、ジャガイモ、ウド、キクなど多くの作物。
中山間地、高冷地の夏秋取りの作型で発生が多い。被害残渣に形成された多数の微小な菌核が、土中に長期間残り、土壌伝染する。発病適温は20~25℃で、30℃以上の高温では、発病が抑制される。病原菌は2種類あり、V. longisporumは、キャベツ、ハクサイ、ダイコンなどのアブラナ科作物にのみ強い病原性を示す。一方、V. dahliaeは多犯性で、アブラナ科作物の他にもナス、トマト、ジャガイモ、ウド、キクなど多くの作物を侵す。キタネグサレセンチュウが本病の発生を助長する。
発病する作物の連作を避ける。抵抗性の高い品種を作付ける。土壌消毒を行う。クロルピクリン剤によるマルチ畦内消毒も有効である。キタネグサレセンチュウによって発病が助長されるので、センチュウの防除もあわせて行う。発病畑からの土の移動に注意する。発病株は早期に抜き取り処分する。
土壌消毒剤:ガスタード、キルパー、クロルピクリン剤、ソイリーン、ディ・トラペックス、バスアミド、NCS。※掲載している薬剤(農薬)は
2022年1月末現在登録のあるものから抜粋しています。
農薬の使用にあたっては必ずラベルを確認し、地域の防除暦や病害虫防除所等の指導に従ってください。
■農薬の登録情報について
最新の登録情報はこちらのページをご確認ください。(農林水産省 農薬登録情報提供システム)
■農薬の作用機構分類(国内農薬・概要)について
薬剤抵抗性の発達を回避するため、同一系統薬剤の連用を避け、ローテーション散布を心がけてください。
農薬の系統別分類はこちら
(国際団体CropLife International (CLI) の対策委員会が取りまとめた殺虫剤、殺菌剤、除草剤の分類表をクロップライフジャパンが日本語に翻訳:外部サイト)
RACコード(農薬の作用機構分類)
※実際の薬剤抵抗性対策については、お近くの病害虫防除所等関係機関などの指導に従ってください。
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