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アブラナ科野菜の病害虫

診断のための特徴的な写真を掲載し、被害、発生、防除、薬剤(農薬)について簡潔に解説しています。

ハクサイダニ

Penthaleus erythrocephalus Koch
ダニ目ミドリハシリダニ科

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ハクサイダニ
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成虫と卵 ©竹内浩二

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雌成虫 ©竹内浩二

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成虫とアブラナの被害(葉が銀白色化)  ©綿貫美咲

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アブラナ地際部の被害 ©竹内浩二


被害

低温期に局所的に多発してハクサイなどを枯らすことがある。被害を受けた葉は葉緑素が抜けて銀白色となることが多い。芯葉部に多数の個体が群生して加害されると、芯止まりとなり枯死に至ることも多い。

被害作物

ハクサイ、アブラナ、カブ、キャベツ、ダイコン、ブロッコリー、コマツナなど。アブラナ科以外ではホウレンソウ、シュンギク、レタス、ネギなどでも被害が発生する。

発生

胴部は赤みがかった黒色で、脚部は暗赤紫色。体長は約0.7㎜で近縁のムギダニより大きい。胴背面後部に肛門を持つ。卵は楕円形で橙赤色。休眠卵が土中などで越夏し、11~4月頃活動する。この間1~2世代を経て、12月と3月に個体数が多くなることが多い。暖冬年における発生は早く、多くなる傾向がある。単為生殖のみで繁殖し、卵を地際部や葉の葉脈沿いなど、あるいは土塊上などに一粒ずつ産む。明るい日中は葉陰などで潜み、曇天や朝夕に活発に行動するが、人が近づくなどして危険を察知すると、クモの子を散らしたように葉裏や地表にすばやく移動する。ハコベ、ホトケノザなどの雑草で増殖する。本州、九州、欧州に分布する。

防除

多発した場合は葉や株ごと取り去り処分する。収穫残渣や雑草に残された卵が次の発生源となるので、発生圃場では雑草や残渣除去を徹底する。また毎年発生の見られる圃場では、太陽熱消毒などで越夏する休眠卵の防除を行う。

薬剤(農薬)

アディオン・コテツ(コマツナ)、ディアナSC(なばな類)。

(竹内浩二)

※掲載している薬剤(農薬)は 2022年1月末現在登録のあるものから抜粋しています。
農薬の使用にあたっては必ずラベルを確認し、地域の防除暦や病害虫防除所等の指導に従ってください。


■農薬の登録情報について
最新の登録情報はこちらのページをご確認ください。(農林水産省 農薬登録情報提供システム)

■農薬の作用機構分類(国内農薬・概要)について
薬剤抵抗性の発達を回避するため、同一系統薬剤の連用を避け、ローテーション散布を心がけてください。

農薬の系統別分類はこちら
(国際団体CropLife International (CLI) の対策委員会が取りまとめた殺虫剤、殺菌剤、除草剤の分類表をクロップライフジャパンが日本語に翻訳:外部サイト)

RACコード(農薬の作用機構分類)

※実際の薬剤抵抗性対策については、お近くの病害虫防除所等関係機関などの指導に従ってください。

収録:防除ハンドブック「 アブラナ科野菜の病害虫

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