診断のための特徴的な写真を掲載し、被害、発生、防除、薬剤(農薬)について簡潔に解説しています。
ハクサイでは、葉に、はじめ灰褐色で周囲が水浸状の小斑点を生じ、やがて拡大して1~2㎝程度の円形で中央部が灰白色の病斑となる。病斑の中央部は薄くなり破れやすい。発生は下葉から始まり、しだいに新葉へと進展する。激しく発病すると、火であぶったように枯れ上がる。ダイコンでは、円形~楕円形、または葉脈に区切られた不整形、淡褐色~灰褐色で中央部が灰白色の病斑を多数形成する。病斑は輪紋状になることもある。激しく発病すると、下葉から枯れ上がる。カブでは、円形、または不整形、白色~灰白色の、6~10mm程度の病斑を形成する。病斑は薄くなり破れやすい。激しく発病すると葉全体が黄化し枯れ上がる。
ハクサイ、ダイコン、カブ等のアブラナ科作物。
秋から初冬にかけて雨が多いと多発する。また、肥料切れのときに発病しやすい。被害葉の中で菌糸や菌糸塊の形で生存し、好適条件になると胞子(分生子と呼ぶ)を生じて空気伝染する。ダイコン白斑病菌は、ハクサイ白斑病菌と病原性が異なり、ダイコンを侵すが、ハクサイ、カブを侵さない。
アブラナ科作物の連作を避ける。過湿地では圃場の排水をよくする。密植を避け通風をよくする。肥料切れしないように適切な肥培管理を行う。発生初期に、薬剤による防除を行う。抵抗性の強い品種を栽培する。
ハクサイ:アフェット、アミスター、オーソサイド、シグナム、ジマンダイセン、ストロビー、ダコニール、ネクスター、パレード、プロポーズ、ベジセイバー、ロブラール等。ダイコン:ダコニール。カブ:アミスター。※掲載している薬剤(農薬)は
2022年1月末現在登録のあるものから抜粋しています。
農薬の使用にあたっては必ずラベルを確認し、地域の防除暦や病害虫防除所等の指導に従ってください。
■農薬の登録情報について
最新の登録情報はこちらのページをご確認ください。(農林水産省 農薬登録情報提供システム)
■農薬の作用機構分類(国内農薬・概要)について
薬剤抵抗性の発達を回避するため、同一系統薬剤の連用を避け、ローテーション散布を心がけてください。
農薬の系統別分類はこちら
(国際団体CropLife International (CLI) の対策委員会が取りまとめた殺虫剤、殺菌剤、除草剤の分類表をクロップライフジャパンが日本語に翻訳:外部サイト)
RACコード(農薬の作用機構分類)
※実際の薬剤抵抗性対策については、お近くの病害虫防除所等関係機関などの指導に従ってください。
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