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アブラナ科野菜の病害虫

診断のための特徴的な写真を掲載し、被害、発生、防除、薬剤(農薬)について簡潔に解説しています。

ナトビハムシ(ナノミハムシ)

Psylliodes punctifrons
コウチュウ目ハムシ科

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ナトビハムシ(ナノミハムシ)
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幼虫 ©竹内浩二

ナトビハムシ(ナノミハムシ)
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成虫 ©全農教

ナトビハムシ(ナノミハムシ)
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成虫によるワサビ葉の被害 ©竹内浩二

ナトビハムシ(ナノミハムシ)
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幼虫によるワサビ茎葉内食害被害 ©竹内浩二

ナトビハムシ(ナノミハムシ)
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ワサビ苗被害 ©竹内浩二


被害

成虫が葉を、幼虫が茎および葉を食害する。成虫による摂食痕はキスジノミハムシのそれと同様で、葉一面に1~2㎜ほどの円形ゴマ粒状の穴が無数にあいた食痕が残る。発芽まもない幼苗期では被害が大きく、ほとんど原型をとどめないほどに加害され、枯死に至ることも多い。幼虫は茎葉内に潜入し、組織を摂食しながら成長する。幼虫の食害による直接的な被害も大きいが、その食害部にワサビ墨入病が発生することが多く被害は甚大となる。

被害作物

山間地の畑ワサビのほか、コマツナ、ミズナなどの葉菜類。施設でのワサビ幼苗圃で発生すると被害が大きい。

発生

幼虫は6~7㎜の細長い円筒形、黄白色で頭部は淡黄褐色。成虫はキスジノミハムシよりやや大きく2~3㎜で、光沢のある濃紺色。後肢腿節が太く発達していて、素早く跳躍する。 成虫で越冬し、育苗施設では4月頃には活動を始め、産卵が行われる。卵は下位葉の基部に1個ずつ産みつけられ、幼虫は茎葉内に食入加害した後、地中で成熟し蛹化する。新成虫は6月頃羽化し、夏眠(7~9月)を経て雑草や落葉下で越冬する。

防除

成虫の跳躍や飛翔による侵入、幼虫寄生苗の持ち込み、コマツナなどのアブラナ科作物を苗床や圃場の近くで栽培することを避ける。施設などでは防虫網(1㎜目合程度)で成虫の圃場への侵入を防ぐ。

薬剤(農薬)

スタークル・アルバリン、トレボン(畑ワサビおよびワサビ育苗期)。

(竹内浩二)

※掲載している薬剤(農薬)は 2022年1月末現在登録のあるものから抜粋しています。
農薬の使用にあたっては必ずラベルを確認し、地域の防除暦や病害虫防除所等の指導に従ってください。


■農薬の登録情報について
最新の登録情報はこちらのページをご確認ください。(農林水産省 農薬登録情報提供システム)

■農薬の作用機構分類(国内農薬・概要)について
薬剤抵抗性の発達を回避するため、同一系統薬剤の連用を避け、ローテーション散布を心がけてください。

農薬の系統別分類はこちら
(国際団体CropLife International (CLI) の対策委員会が取りまとめた殺虫剤、殺菌剤、除草剤の分類表をクロップライフジャパンが日本語に翻訳:外部サイト)

RACコード(農薬の作用機構分類)

※実際の薬剤抵抗性対策については、お近くの病害虫防除所等関係機関などの指導に従ってください。

収録:防除ハンドブック「 アブラナ科野菜の病害虫

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