診断のための特徴的な写真を掲載し、被害、発生、防除、薬剤(農薬)について簡潔に解説しています。
主に葉に発生する。初め葉裏に乳白色のやや盛り上がった小斑点を生じ、のちに表皮が破れて白色粉状の胞子(分生子と呼ぶ)を飛散する。葉の表側では、輪郭が不明瞭な黄色の斑紋となる。また、収穫期近くに、根部表面に5~10㎜程度の円形~楕円形の淡い黒色のリング状の斑紋(わっか症)を生じることがある。本症状は、地上に出ている部分に多いが、土中の浅い部分にも発生する。この病斑は表面にとどまり、内部まで進展することはない。
ダイコン、キャベツ、ハクサイ、カブ、コマツナ、キョウナなどのアブラナ科作物(わっか症はダイコンのみに発生)。
春季や秋季が多雨で低温のとき発生が多い。胞子(分生子)の発芽最適温度は10℃前後で、比較的低温を好む。病原菌は、被害残渣中で卵胞子や菌糸で生存し伝染源となる。発病後は、胞子(分生子)が飛散して伝染する。潜伏期間は、通常7~10日間、好適条件では5~7日間である。わっか症は、白さび病菌が根部に感染して発症する。発症までに少なくとも20日程度かかる。病原菌は、寄生性が分化しておりいくつかの系統に分けられるが、ダイコンを侵す菌は、ダイコンのみを侵す。
連作を避ける。圃場の排水をよくする。密植を避け通風をよくする。窒素過多を避ける。地上部の白さび病は、発病初期に薬剤防除を行う。わっか症の薬剤防除は、感染してから発症までの期間を考慮し、予防的に行う。
アミスター、カスミンボルドー(わっか症のみ)、カッパーシン(わっか症のみ)、ダコニール、ピシロック、ユニフォーム(白さび病のみ)、ヨネポン(白さび病のみ)、ライメイ、ランマン、Zボルドー(白さび病のみ)等。※掲載している薬剤(農薬)は
2022年1月末現在登録のあるものから抜粋しています。
農薬の使用にあたっては必ずラベルを確認し、地域の防除暦や病害虫防除所等の指導に従ってください。
■農薬の登録情報について
最新の登録情報はこちらのページをご確認ください。(農林水産省 農薬登録情報提供システム)
■農薬の作用機構分類(国内農薬・概要)について
薬剤抵抗性の発達を回避するため、同一系統薬剤の連用を避け、ローテーション散布を心がけてください。
農薬の系統別分類はこちら
(国際団体CropLife International (CLI) の対策委員会が取りまとめた殺虫剤、殺菌剤、除草剤の分類表をクロップライフジャパンが日本語に翻訳:外部サイト)
RACコード(農薬の作用機構分類)
※実際の薬剤抵抗性対策については、お近くの病害虫防除所等関係機関などの指導に従ってください。
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