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アブラナ科野菜の病害虫

診断のための特徴的な写真を掲載し、被害、発生、防除、薬剤(農薬)について簡潔に解説しています。

ダイコンハムシ(ダイコンサルハムシ)

Phaedon brassicαe
コウチュウ目ハムシ科

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ダイコンハムシ(ダイコンサルハムシ)
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成虫と成熟幼虫 ©竹内浩二

ダイコンハムシ(ダイコンサルハムシ)
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中齢幼虫とカブ葉の食害痕 ©竹内浩二

ダイコンハムシ(ダイコンサルハムシ)
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カブ葉の被害 ©竹内浩二


被害

成虫、幼虫とも葉を食害するが、数㎜~数㎝の無数の穴が開いたような被害になる。幼虫は葉裏から食害することが多い。地上部が葉脈だけを残して、ほとんど食い尽くされるほどの多発となることも多い。

被害作物

ダイコン、ハクサイ、コマツナ、ミズナなどに多い。その他、ネギやニンジン、シュンギクなどにも発生する。

発生

成虫は体長約4㎜で楕円形、光沢のある濃紺~黒藍色。幼虫は6~7㎜、多くのイボ状突起と毛がやや目立つ。若齢期は黄色~淡黄緑色で成長すると黒色を帯びる。 落ち葉や土塊の下などで越冬した成虫が4月頃から活動し始め、年2~3回発生を繰り返す。寒さには強く、暖かい日には真冬でも食害していることもある。夏場はあまり活動しないが、秋には幼虫も含め個体数も多くなる。500日程度と成虫の寿命が長く、その間に1000個以上産卵し、葉柄や葉脈上に産み付けられる。幼虫期間は2週間程度、成熟すると土中で蛹化する。  本州、四国、九州、南西諸島、国外では朝鮮半島、中国、東南アジアなどに分布する。

防除

成虫は飛翔せず、歩行による移動のみであるが、活発に動き回るので、圃場や苗床に侵入させないように注意する。露地でも不繊布や防虫ネットのトンネルで成虫の侵入を防ぎ、産卵させないようにする。アブラナ科の雑草が発生源となっていることも多いので、雑草管理する。発生圃場では産み込まれた卵を残さぬよう、収穫残渣を除去する。成虫、幼虫とも危険を感じると、葉から落ちることに注意して捕殺する。

薬剤(農薬)

モスピラン・コテツ(ダイコン)、アルバリン・スタークル・ブロフレア(ダイコン・ハクサイ)、アディオン(ダイコン・ミズナ)、ベニカS(ミズナ)。

(竹内浩二)

※掲載している薬剤(農薬)は 2022年1月末現在登録のあるものから抜粋しています。
農薬の使用にあたっては必ずラベルを確認し、地域の防除暦や病害虫防除所等の指導に従ってください。


■農薬の登録情報について
最新の登録情報はこちらのページをご確認ください。(FAMIC:外部サイト)

■農薬の作用機構分類(国内農薬・概要)について
薬剤抵抗性の発達を回避するため、同一系統薬剤の連用を避け、ローテーション散布を心がけてください。

農薬の系統別分類はこちら
(国際団体CropLife International (CLI) の対策委員会が取りまとめた殺虫剤、殺菌剤、除草剤の分類表を農薬工業会が日本語に翻訳:外部サイト)

・殺虫剤(IRAC)2022年6月版(ver.10.3) *PDFデータ

・殺菌剤(FRAC)2022年6月版 *PDFデータ

・除草剤(HRAC)2020年3月現在 *Excelデータ

※実際の薬剤抵抗性対策については、お近くの病害虫防除所等関係機関などの指導に従ってください。

収録:防除ハンドブック「 アブラナ科野菜の病害虫

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