診断のための特徴的な写真を掲載し、被害、発生、防除、薬剤(農薬)について簡潔に解説しています。
葉裏や茎に大きなコロニーを形成し、吸汁加害する。コロニーは大きくなり、排泄物や甘露にすす病も発生して生育に影響を及ぼす。早春にはナタネや抽苔した花茎を収穫するナバナ類などの花穂に群棲して発生する。モザイク病の原因となるキュウリモザイクウイルス(CMV)、カブモザイクウイルス(TuMV)などを媒介する。
春作のキャベツ、ブロッコリー、カリフラワーなどで発生が多い。その他、コマツナ、ハクサイ、ダイコン、ハボタン、ストックなど。アブラナ科植物のみに発生する。
アブラナ科の植物で周年生活するが、5~6月頃が最も多くなり、盛夏にはほとんど見られない。寒冷地では卵越冬するが、関東以南では胎生雌で越冬する。ハウス栽培においては秋から春にかけても発生が継続することが多い。
有翅虫の飛来による増殖、寄生苗の持ち込みを防ぐ。コロニーがきわめて大きくなるので、初期の発生を見逃さず、発生初期に対応する。防虫網(1㎜目程度以下)や寒冷紗で成虫の圃場への侵入を防ぐ。圃場周辺に雑草が多いと発生を助長するので適切に管理する。播種時および定植時の粒剤施用は有効である。
アベイル(キャベツ・ハクサイ・ダイコン・ブロッコリー)、アルバリン・スタークル(キャベツ・ハクサイ・ダイコン・ブロッコリー・ 非結球アブラナ科葉菜類(チンゲンサイを除く)・カブ)、ウララDF(キャベツ・ハクサイ・ナバナ類・ブロッコリー・カリフラワー・非結球アブラナ科葉菜類)、オルトラン(キャベツ・ハクサイ・ダイコン・カブ)、ダントツ(キャベツ・ハクサイ・ダイコン・カブ・ブロッコリー・はなっこりー・ミズナ)、プリロッソ(キャベツ・ハクサイ・ダイコン・ブロッコリー・ナバナ類)、ベネビアOD(キャベツ・ハクサイ・ダイコン・ブロッコリー)、ベリマークSC(キャベツ・ハクサイ・ブロッコリー・非結球アブラナ科葉菜類(こまつなを除く))、モスピラン(キャベツ・ハクサイ・ダイコン・ブロッコリー・非結球あぶらな科葉菜類(チンゲンサイを除く))、モスピラン顆粒水溶剤(キャベツ・ハクサイ・ダイコン・はつかだいこん・ブロッコリー・カブ・非結球アブラナ科葉菜類(チンゲンサイを除く)・非結球メキャベツ・ナバナ類)、モベント(キャベツ・ハクサイ・ブロッコリー)など。作物ごとの登録を確認して使用する。
(竹内浩二)
※掲載している薬剤(農薬)は
2022年1月末現在登録のあるものから抜粋しています。
農薬の使用にあたっては必ずラベルを確認し、地域の防除暦や病害虫防除所等の指導に従ってください。
■農薬の登録情報について
最新の登録情報はこちらのページをご確認ください。(農林水産省 農薬登録情報提供システム)
■農薬の作用機構分類(国内農薬・概要)について
薬剤抵抗性の発達を回避するため、同一系統薬剤の連用を避け、ローテーション散布を心がけてください。
農薬の系統別分類はこちら
(国際団体CropLife International (CLI) の対策委員会が取りまとめた殺虫剤、殺菌剤、除草剤の分類表をクロップライフジャパンが日本語に翻訳:外部サイト)
RACコード(農薬の作用機構分類)
※実際の薬剤抵抗性対策については、お近くの病害虫防除所等関係機関などの指導に従ってください。
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