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アブラナ科野菜の病害虫

診断のための特徴的な写真を掲載し、被害、発生、防除、薬剤(農薬)について簡潔に解説しています。

キャベツバーティシリウム萎凋病

Verticillium longisporum、Verticillium dahliae
《病原》糸状菌

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キャベツバーティシリウム萎凋病
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はじめ下葉の縁がV字型に、あるいは、葉脈間がまだらに生気を失い退緑、黄化する ©酒井宏

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黄化・しおれは、発病が激しい場合は結球葉までおよぶ ©酒井宏

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茎部の維管束の黒褐変 ©酒井宏

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収穫物の切り口まで黒褐変がおよぶと商品価値が著しく低下する ©酒井宏

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多発生した圃場 ©酒井宏


被害

症状が目立つようになるのは結球期以降である。はじめ下葉の縁がV字型に、あるいは、葉脈間がまだらに生気を失い退緑、黄化する。黄化・しおれは、はじめ葉の一部分であるが、しだいに全体におよび、落葉する。また、葉脈が黒褐色の網目状に変色する。これらの症状は、結球期に急激に上位葉に進展し、発病が激しい場合は結球葉まで黄化する。根部、茎部および葉柄の維管束は褐色~黒色に変色する。収穫物の切り口まで黒褐変がおよぶと商品価値が著しく低下する。

被害作物

ハクサイ、ダイコンなどのアブラナ科作物の他、ナス、トマト、ジャガイモ、ウド、キクなど多くの作物。

発生

中山間地、高冷地の夏秋取りの作型で発生が多い。発病は7~10月の収穫期間中に発生し、8~9月が最も多くなる。被害残渣中に形成された多数の微小な菌核が、土中に長期間残り、土壌伝染する。発病適温は20~25℃で、30℃以上の高温では、発病が抑制される。病原菌は2種類あり、V. longisporumは、キャベツ、ハクサイ、ダイコンなどのアブラナ科作物にのみ強い病原性を示す。一方、V. dahliaeは多犯性で、アブラナ科作物の他にもナス、トマト、ジャガイモ、ウド、キクなど多くの作物を侵す。病徴からは両者の判別は出来ない。キタネグサレセンチュウが本病の発生を助長する。

防除

発病する作物の連作を避ける。抵抗性の高い品種を作付ける。センチュウ密度を下げるエンバク野生種Avena strigosaを作付ける。土壌消毒を行う。農機具等はよく洗い、発生圃場から未発生地への汚染土壌の移動を防ぐ。発病株は早期に抜き取り処分する。

薬剤(農薬)

土壌消毒剤:ガスタード、キルパー、ディ・トラペックス、バスアミド、NCS。※掲載している薬剤(農薬)は 2022年1月末現在登録のあるものから抜粋しています。
農薬の使用にあたっては必ずラベルを確認し、地域の防除暦や病害虫防除所等の指導に従ってください。


■農薬の登録情報について
最新の登録情報はこちらのページをご確認ください。(農林水産省 農薬登録情報提供システム)

■農薬の作用機構分類(国内農薬・概要)について
薬剤抵抗性の発達を回避するため、同一系統薬剤の連用を避け、ローテーション散布を心がけてください。

農薬の系統別分類はこちら
(国際団体CropLife International (CLI) の対策委員会が取りまとめた殺虫剤、殺菌剤、除草剤の分類表をクロップライフジャパンが日本語に翻訳:外部サイト)

RACコード(農薬の作用機構分類)

※実際の薬剤抵抗性対策については、お近くの病害虫防除所等関係機関などの指導に従ってください。

収録:防除ハンドブック「 アブラナ科野菜の病害虫

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