診断のための特徴的な写真を掲載し、被害、発生、防除、薬剤(農薬)について簡潔に解説しています。
キャベツでは、結球期から発生することが多く、はじめ下葉の基部に淡褐色~灰褐色、水浸状の病斑ができ、後に結球部が腐敗する。悪臭はない。ハクサイでは、はじめ外葉の地面に接する部分があめ色に軟化腐敗し、後に結球内部まで腐敗する。ダイコンでは、主に根頭部に発生し、水浸状で汚白色の円形病斑を形成する。ブロッコリーでは、地際部の茎や葉柄部、花梗や花蕾などが淡褐色~暗緑色、水浸状に腐敗する。いずれの作物でも、湿度が高いと病斑部に白色綿毛状のかびを生じ、のちに、楕円形~不整形、大きさ5㎜前後の黒色の塊(菌核)を形成する。
アブラナ科作物の他、トマト、ナス、キュウリなど多くの作物。
春と秋に発生する。特に、気温が15~20℃で多湿な条件で多発する。発病株に形成された菌核が土壌中に残り伝染源となる。菌核から発生した直径5mm前後のきのこ状の子のう盤に胞子が形成され、これが空中に飛散して伝染する。また、菌核から伸びた菌糸により発病することがある。菌核は土壌中で数年間生存するが、湛水条件下では速やかに死滅する。
発生地での連作は避ける。圃場の排水を良好にする。密植を避け通風をよくする。窒素過多を避け、過繁茂や軟弱徒長を防ぐ。発生状況や気象を考慮して予防的に薬剤防除を行う。発病株は早期に抜き取り処分する。田畑輪換や夏季の湛水処理で菌核を死滅させる。
キャベツ:アフェット、アミスター、カンタス、ゲッター、シグナム、スミレックス、セイビアー、トップジンM、ネクスター、パレード、ファンタジスタ、フロンサイド、ベルクート、ベンレート、ロブラール等。
ハクサイ:アフェット、シグナム、トップジンM、パレード、ファンタジスタ、ロブラール等。
ブロッコリー:アフェット、カンタス、シグナム、トップジンM、パレード等。※掲載している薬剤(農薬)は
2022年1月末現在登録のあるものから抜粋しています。
農薬の使用にあたっては必ずラベルを確認し、地域の防除暦や病害虫防除所等の指導に従ってください。
■農薬の登録情報について
最新の登録情報はこちらのページをご確認ください。(農林水産省 農薬登録情報提供システム)
■農薬の作用機構分類(国内農薬・概要)について
薬剤抵抗性の発達を回避するため、同一系統薬剤の連用を避け、ローテーション散布を心がけてください。
農薬の系統別分類はこちら
(国際団体CropLife International (CLI) の対策委員会が取りまとめた殺虫剤、殺菌剤、除草剤の分類表をクロップライフジャパンが日本語に翻訳:外部サイト)
RACコード(農薬の作用機構分類)
※実際の薬剤抵抗性対策については、お近くの病害虫防除所等関係機関などの指導に従ってください。
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