診断のための特徴的な写真を掲載し、被害、発生、防除、薬剤(農薬)について簡潔に解説しています。
幼虫が播種後間もない種子に入り子葉や幼根・幼芽を食害すると、種子の腐敗や著しい生育不良が生じる。また、発芽直後の幼苗の地際部に入り胚軸や主根・主茎を食害すると、苗や株は萎凋や腐敗を起こし、枯死することもある。
ネギ(ワケネギを含む)、アサツキなどのネギ属作物。
両種とも成虫の体長は5~6mmであり、雄は暗黄褐色~暗褐色、雌は灰色~灰黄色である。成虫は春から秋までいつでもみられ、年5~6回発生する。卵は地際の茎葉部、土壌表層に産みつけられ、孵化幼虫が、腐植質または種子や根部を食害する。幼虫は白色~黄白色のウジで、成熟すると体長は約6mmになる。成熟幼虫は食害した種子や植物から離れ、その近くの土中で蛹(囲蛹)になる。蛹は長径 4~5mm、短径1.5mm程度で、わずかに平たい紡錘形である。タネバエは成虫で、タマネギバエは蛹で夏眠するため、両種とも盛夏には一時密度が減少する。土壌水分が高い条件下では産卵数が多く、幼虫の生存率が高くなる傾向がある。幼虫における両種の見分けは困難であるため、区別の必要がある場合には成虫を用いる。ネギ類では、両種が混発することもある。
殺虫剤のみによる防除は困難であり、多発させない環境を整えることがもっとも重要である。両種の成虫は、未分解の植物残渣や未熟堆肥、ダイズかす、魚かす、鶏ふんなどの有機物の臭いに誘引される。このため、前作の残渣などをほ場にすき込む場合には、後作定植までの期間を十分に確保して分解させる。堆肥を施用する場合には完熟したものを用いる。
アルバリン、スタークル(タネバエに対するかん注処理のみ)、ダントツ(タネバエのみ)、ダイアジノン、ベリマーク(かん注)など。※掲載している薬剤(農薬)は
2022年1月末現在登録のあるものから抜粋しています。
農薬の使用にあたっては必ずラベルを確認し、地域の防除暦や病害虫防除所等の指導に従ってください。
■農薬の登録情報について
最新の登録情報はこちらのページをご確認ください。(農林水産省 農薬登録情報提供システム)
■農薬の作用機構分類(国内農薬・概要)について
薬剤抵抗性の発達を回避するため、同一系統薬剤の連用を避け、ローテーション散布を心がけてください。
農薬の系統別分類はこちら
(国際団体CropLife International (CLI) の対策委員会が取りまとめた殺虫剤、殺菌剤、除草剤の分類表をクロップライフジャパンが日本語に翻訳:外部サイト)
RACコード(農薬の作用機構分類)
※実際の薬剤抵抗性対策については、お近くの病害虫防除所等関係機関などの指導に従ってください。
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