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ニホンナシの病害虫

診断のための特徴的な写真を掲載し、被害、発生、防除、薬剤(農薬)について簡潔に解説しています。

黒斑病

Alternaria kikuchiana
《病原》糸状菌  《発病》花弁、葉、果実、新梢、枝、花芽

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黒斑病
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小袋かけ前の幼果に形成された小黒点病斑(安田文俊)

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果実袋内で発病して腐敗落下した果実(安田文俊)

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梅雨期にまん延した新梢葉での発病(安田文俊)

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新梢葉の病斑(拡大)(安田文俊)

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側枝の皮目に形成された枝病斑(安田文俊)

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健全な花芽(左)と芽腐れして萌芽しない花芽(右)(安田文俊)


被害

本病に特異的に弱い二十世紀で被害が多く、南水や新水でも発病する。これらの品種では、果実の腐敗落下や早期落葉による樹勢低下など甚大な被害を受けることがある。幼葉でははじめ黒色で丸く、ごく小さな病斑を生じるが、やがて病斑が拡大して黒褐色になり、葉が硬化すると灰白色で輪紋病斑となる。葉柄に発病すると落葉しやすくなる。葉の発病は6~7月が最盛期となり、多発すると8~9月に早期落葉を引き起こす。果実では5月中旬の小袋かけ前には発病はほとんどみられないが、実際にはこの時期に病原菌の分生子が幼果の果面や雌しべなどに付着しており、被袋後に発病した果実が果実肥大期の7~8月に腐敗落下する。発病した果実には黒褐色で不整形の病斑を生じ、多くの場合裂果して病斑部には灰褐色の菌叢を生じる。

発生

第一次伝染源は側枝に形成された枝病斑と、花芽が芽腐れした病芽である。これらの越冬伝染源上には4月以降に分生子が形成され、風雨によって飛散し、葉や幼果に感染する。その後、生育期間中に発病した葉や幼果の病斑上の分生子が次々と二次伝染を繰り返す。病原菌の分生子の形成や発芽には25~28℃が最適であり、多湿条件によって発病が助長される。4~5月における分生子の飛散は気温18℃以上で数mm程度の小雨後に多くなるため、小袋かけ前の気温が高めで小雨が多い年には、分生子の小袋内への包み込みによって果実発病が多くなる傾向がある。

防除

本病に罹病性の二十世紀などで問題となるため、耐病性のゴールド二十世紀や抵抗性の各品種に更新するのが基本的な対策である。二十世紀を栽培する場合は年間を通じて薬剤防除が必要であるが、果実の発病を抑えるため小袋かけ前の5月上~中旬と葉の発病の最盛期となる梅雨期の薬剤防除を特に徹底する。また、越冬伝染源に対する対策として塗布剤による枝病斑の封じ込めと、病芽の除去を行う。

薬剤(農薬)

アミスター、アリエッティC、アントラコール、キノンドー/ドキリン、ストロビー、チオノック/トレノックス、トップジンMペースト、ナリア、ファンタジスタ、フロンサイド、ベルクート、ポリベリン、ユニックスなど。※掲載している薬剤(農薬)は 2019年1月末現在登録のあるものから抜粋しています。
農薬の使用にあたっては必ずラベルを確認し、地域の防除暦や病害虫防除所等の指導に従ってください。


■農薬の登録情報について
最新の登録情報はこちらのページをご確認ください。(FAMIC:外部サイト)

■農薬の作用機構分類(国内農薬・概要)について
薬剤抵抗性の発達を回避するため、同一系統薬剤の連用を避け、ローテーション散布を心がけてください。

農薬の系統別分類はこちら
(国際団体CropLife International (CLI) の対策委員会が取りまとめた殺虫剤、殺菌剤、除草剤の分類表を農薬工業会が日本語に翻訳:外部サイト)

・殺虫剤(IRAC、2016年4月版 ver.8.1) *PDFデータ

・殺菌剤(FRAC、2017年4月版) *PDFデータ

・除草剤(HRAC、 2016年9月版 *Excelデータ

※実際の薬剤抵抗性対策については、お近くの病害虫防除所等関係機関などの指導に従ってください。

収録:防除ハンドブック「 ニホンナシの病害虫

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