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ニホンナシの病害虫

診断のための特徴的な写真を掲載し、被害、発生、防除、薬剤(農薬)について簡潔に解説しています。

枝枯病

Botryosphaeria dothidea
《病原》糸状菌  《発病》枝幹部

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枝枯病
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側枝に形成された黒褐色で陥没した病斑(安田文俊)

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明瞭な境界を生じて木質部まで達した病斑(安田文俊)

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充実不良の新梢に形成された病斑(安田文俊)


被害

年数の若い枝や木質化した新梢などに発生する。表皮に縦長の黒褐色の病斑が形成され、病斑は木質部まで達する。病斑が拡大して枝を取り巻くと、それより先端の枝は葉をつけたまま萎凋枯死する。やや太い側枝や亜主枝の場合、褐色で陥没した病斑を形成し、健全部との境界に明瞭な亀裂を生じる。

発生

発生時期は梅雨期~秋季だが、主に盛夏期に集中する。幼木~若木での発生が多く、樹冠の拡大を急ぐため多肥栽培を行うと枝が充実不良となって発病しやすくなる。病原菌は傷口から侵入するため、せん定時の切り口、台風などの強風害による枝の擦傷部、新梢の生理的枯込みや芽枯部、生育肥大による表皮のひび割れ部などが侵入部位となる。

防除

二次伝染を防ぐため、発病樹の病患部や枯死枝を園外に持ち出して処分する。亜主枝や側枝などに形成された病斑には薬剤を塗布する。また、台風などの強風害を受けた枝幹部を塗布剤で保護することは本病の予防につながると思われる。幼木~若木では窒素過多にならないように適切な肥培管理を行う。

薬剤(農薬)

ベンレート(マシン油に希釈して塗布)※掲載している薬剤(農薬)は 2022年1月末現在登録のあるものから抜粋しています。
農薬の使用にあたっては必ずラベルを確認し、地域の防除暦や病害虫防除所等の指導に従ってください。


■農薬の登録情報について
最新の登録情報はこちらのページをご確認ください。(FAMIC:外部サイト)

■農薬の作用機構分類(国内農薬・概要)について
薬剤抵抗性の発達を回避するため、同一系統薬剤の連用を避け、ローテーション散布を心がけてください。

農薬の系統別分類はこちら
(国際団体CropLife International (CLI) の対策委員会が取りまとめた殺虫剤、殺菌剤、除草剤の分類表を農薬工業会が日本語に翻訳:外部サイト)

・殺虫剤(IRAC)2022年6月版(ver.10.3) *PDFデータ

・殺菌剤(FRAC)2022年6月版 *PDFデータ

・除草剤(HRAC)2020年3月現在 *Excelデータ

※実際の薬剤抵抗性対策については、お近くの病害虫防除所等関係機関などの指導に従ってください。

収録:防除ハンドブック「 ニホンナシの病害虫

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