診断のための特徴的な写真を掲載し、被害、発生、防除、薬剤(農薬)について簡潔に解説しています。
いずれのハマキガも広食性であり、幼虫が葉、花蕾、果実の表面などを食害する。葉を綴り、中で食害および蛹化する。リンゴコカクモンハマキはナシ園内でも越冬するため、越冬幼虫が花蕾を食害したり花弁を綴ったりして加害する。
チャノコカクモンハマキは年4~5回の発生で、チャなどの常緑広葉樹を中心に生息し、生息密度が高いとナシなどの落葉樹へ飛来するとされる。リンゴコカクモンハマキは年4~5回の発生で、落葉広葉樹に生息して第1回成虫は5月中旬ごろに飛来する。チャハマキは年3~4回の発生で、常緑樹の葉を綴って越冬し、第1回成虫は4月上旬~5月下旬に出現する。いずれの種も幼虫態で越冬する。また、世代が重なって発生ピークが判然としないことがある。
発芽期から落花期、幼果期の薬剤防除が重要である。この時期は比較的発育ステージが揃うため、防除効果が上がりやすい。薬剤防除は、若齢幼虫期に実施するのが効果的であるため、フェロモントラップへの成虫誘殺数を参考に、成虫発生ピークの数日後を目安に実施する。複合交信攪乱剤の利用も効果的であるが、一般的に処理面積が広い方が効果的であるため、地域単位で処理するのがよい。
エクシレル,カスケード,コンフューザーN,スミチオン,ダーズバン,ダイアジノン,ディアナ,テルスター,フェニックス,ロディーなど※掲載している薬剤(農薬)は
2022年1月末現在登録のあるものから抜粋しています。
農薬の使用にあたっては必ずラベルを確認し、地域の防除暦や病害虫防除所等の指導に従ってください。
■農薬の登録情報について
最新の登録情報はこちらのページをご確認ください。(農林水産省 農薬登録情報提供システム)
■農薬の作用機構分類(国内農薬・概要)について
薬剤抵抗性の発達を回避するため、同一系統薬剤の連用を避け、ローテーション散布を心がけてください。
農薬の系統別分類はこちら
(国際団体CropLife International (CLI) の対策委員会が取りまとめた殺虫剤、殺菌剤、除草剤の分類表をクロップライフジャパンが日本語に翻訳:外部サイト)
RACコード(農薬の作用機構分類)
※実際の薬剤抵抗性対策については、お近くの病害虫防除所等関係機関などの指導に従ってください。
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