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ニホンナシの病害虫

診断のための特徴的な写真を掲載し、被害、発生、防除、薬剤(農薬)について簡潔に解説しています。

ハダニ類

ダニ目ハダニ科  《加害》葉

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ハダニ類
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カンザワハダニ ©全農教

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ナミハダニ ©全農教

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ミカンハダニ ©全農教

ハダニ類
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ミカンハダニの被害 ©全農教


ミカンハダニ

Panonychus citri

ナミハダニ

Tetranychus urticae

カンザワハダニ

Tetranychus kanzawai

被害

ハダニ類による被害は、若虫および成虫の吸汁によって葉の表皮細胞が破壊されることにより起こる同化阻害や早期落葉などである。少発生での実害はないが、多発し被害が著しい場合は収量低下を招く。ナミハダニ、カンザワハダニは主に葉裏に生息し、発生量が多くなると葉表にも生息するようになる。ミカンハダニは葉表および葉裏に生息する。吸汁痕は白いカスリ状となり、発生初期は目立たないが、多発すると葉の表裏に目立つようになり、著しい場合は葉が白化したように見える。

生態

ハダニ類は、粗皮下や誘引縄の結び目などの隙間で(雌)成虫態で越冬する。越冬後成虫は、4月上旬頃から産卵を始め、5月頃から密度が上昇し7~8月にピークに達する。ハダニ類はライフサイクルが短い(ナミハダニは25℃では約10日間で1世代)ことから多発しやすく、薬剤感受性も低下しやすい。また、寄主範囲が広いことから、雑草や他の樹木からの移動もある。

防除

ハダニ類の重要な防除時期は、越冬世代の発生時期となる4月下旬頃、ハダニ類の増殖に適した気象条件になる梅雨明け後および越冬量を左右する秋季(収穫後)である。秋季防除の徹底などによって越冬量が少ない場合は、春先の防除を省略することもできるが、秋季に発生の多かった梨園、発生量が恒常的に多い梨園では、越冬世代の防除が重要になる。最も増殖しやすい梅雨明け後は、ハダニ類の各ステージ(卵、若虫、成虫)に対して防除効果の高い薬剤を選択するが、適用範囲内であっても、同一薬剤を複数回使用することは感受性の低下を招くことから望ましくない。

薬剤(農薬)

カスケード,カネマイト,機械油,コテツ,コロマイト,スターマイト,ダニコング,ダニゲッター,ダニサラバ,マイトコーネなど※掲載している薬剤(農薬)は 2022年1月末現在登録のあるものから抜粋しています。
農薬の使用にあたっては必ずラベルを確認し、地域の防除暦や病害虫防除所等の指導に従ってください。


■農薬の登録情報について
最新の登録情報はこちらのページをご確認ください。(農林水産省 農薬登録情報提供システム)

■農薬の作用機構分類(国内農薬・概要)について
薬剤抵抗性の発達を回避するため、同一系統薬剤の連用を避け、ローテーション散布を心がけてください。

農薬の系統別分類はこちら
(国際団体CropLife International (CLI) の対策委員会が取りまとめた殺虫剤、殺菌剤、除草剤の分類表をクロップライフジャパンが日本語に翻訳:外部サイト)

RACコード(農薬の作用機構分類)

※実際の薬剤抵抗性対策については、お近くの病害虫防除所等関係機関などの指導に従ってください。

収録:防除ハンドブック「 ニホンナシの病害虫

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