診断のための特徴的な写真を掲載し、被害、発生、防除、薬剤(農薬)について簡潔に解説しています。
本種による被害は、幼虫による幼果の食害である。幼虫は、食入した幼果を食い尽くすと脱出して別の幼果に食入し、老熟するまでに2~3果を食害する。摘果時に被害果が残ってしまうと、商品価値がなくなる。通常、本種による被害は発生しないか微少である。
年1回の発生で、成熟幼虫が土中に繭を作って越冬する。成虫は体長4~5mmで、開花期にガク片に1卵ずつ産卵し、卵の上を黒い粘着物で覆う。孵化幼虫は、ガクと子房の間を食害したあと果実内に食入し、孵化30~40日後に被害果とともに落下して土中に潜る。
摘花時に、産卵花を見つけた場合は除去する。被害果は見つけ次第除去し、特に摘果時には被害果を残さないよう注意する。被害果は園地に残さずに集め、水漬けして幼虫を殺す。防除時期は開花直前から落花期までであるが、この頃は訪花昆虫が活動している時期であるため殺虫剤の散布は極力控える。
エルサン、ミクロデナポン。※掲載している薬剤(農薬)は
2022年1月末現在登録のあるものから抜粋しています。
農薬の使用にあたっては必ずラベルを確認し、地域の防除暦や病害虫防除所等の指導に従ってください。
■農薬の登録情報について
最新の登録情報はこちらのページをご確認ください。(FAMIC:外部サイト)
■農薬の作用機構分類(国内農薬・概要)について
薬剤抵抗性の発達を回避するため、同一系統薬剤の連用を避け、ローテーション散布を心がけてください。
農薬の系統別分類はこちら
(国際団体CropLife International (CLI) の対策委員会が取りまとめた殺虫剤、殺菌剤、除草剤の分類表を農薬工業会が日本語に翻訳:外部サイト)
・殺虫剤(IRAC)2022年6月版(ver.10.3) *PDFデータ
・殺菌剤(FRAC)2022年6月版 *PDFデータ
・除草剤(HRAC)2020年3月現在 *Excelデータ
※実際の薬剤抵抗性対策については、お近くの病害虫防除所等関係機関などの指導に従ってください。
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