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ニホンナシの病害虫

診断のための特徴的な写真を掲載し、被害、発生、防除、薬剤(農薬)について簡潔に解説しています。

シンクイムシ類


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果実ていあ部のシンクイムシ類食入痕 ©鹿島哲郎

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果実内部のシンクイムシ類食害痕 ©鹿島哲郎

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接触面のシンクイムシ類食害痕 ©鹿島哲郎

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シンクイムシ類によるハナモモの芯折れ ©鹿島哲郎

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ナシヒメシンクイ成虫 ©全農教

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モモシンクイガ成虫 ©梅谷献二

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ナシヒメシンクイ幼虫 ©全農教

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モモシンクイガ幼虫 ©全農教


ナシヒメシンクイ

Grapholita molesta

チョウ目ハマキガ科

モモシンクイガ

Carposina sasakii

チョウ目シンクイガ科

被害

幼虫がナシ果実を食害する。ナシヒメシンクイの幼虫は、果梗の付根、果実と葉の接触面、果実同士の接触面などを食害し、若齢幼虫は果実表面の果肉を食害するが、成熟すると果実内部に侵入して芯部を食害する。食入痕からは、虫糞が排出され糞塊となる。モモシンクイガ幼虫は、果梗の付根などから食入するが、虫糞を出さないため発見するのは難しい。食入した幼虫は、種も含めて芯部を食害する。成熟すると直線的な孔道を作って果実から脱出する。いずれの場合も、被害果は被害部から腐敗する。

生態

ナシヒメシンクイは、成熟幼虫が粗皮下などに繭を作って越冬し、3月末ごろから蛹化する。越冬世代成虫は4月上旬から出現し、ついで第1世代成虫は6月下旬頃に、第2世代成虫は7月下旬頃に、第3世代成虫は8月下旬~9月上旬に発生するが、地域間差があり年間発生回数は3~5回である。越冬世代成虫はいったんナシ園を脱出し、モモやウメなどの新梢、果実を食害して増殖する。7月以降に発生する第2世代以降の成虫は、ナシ園に多く飛来して果実を加害するため、被害が大きくなる。モモシンクイガは、成熟幼虫が土中に繭を作って越冬する。年1~2回の発生で、成虫は6月から9月まで発生する。

防除

各世代成虫の発生盛期を中心に、薬剤防除を行うのが効率的である。合成ピレスロイド系殺虫剤は残効が長く効果は高いが、多用するとハダニ類やカイガラムシ類のリサージェンスを引き起こすので注意する。複合交信攪乱剤は、越冬世代成虫の発生時期から設置するのが効果的である。また、広域処理の方が防除効果があがりやすい。

薬剤(農薬)

アルバリン,エクシレル,オリオン,コンフューザーN,サムコル,サイアノックス,スカウト,スタークル,ダーズバン,ダイアジノン,テルスター,ディアナ,バリアード,モスピラン,ロディーなど※掲載している薬剤(農薬)は 2022年1月末現在登録のあるものから抜粋しています。
農薬の使用にあたっては必ずラベルを確認し、地域の防除暦や病害虫防除所等の指導に従ってください。


■農薬の登録情報について
最新の登録情報はこちらのページをご確認ください。(農林水産省 農薬登録情報提供システム)

■農薬の作用機構分類(国内農薬・概要)について
薬剤抵抗性の発達を回避するため、同一系統薬剤の連用を避け、ローテーション散布を心がけてください。

農薬の系統別分類はこちら
(国際団体CropLife International (CLI) の対策委員会が取りまとめた殺虫剤、殺菌剤、除草剤の分類表をクロップライフジャパンが日本語に翻訳:外部サイト)

RACコード(農薬の作用機構分類)

※実際の薬剤抵抗性対策については、お近くの病害虫防除所等関係機関などの指導に従ってください。

収録:防除ハンドブック「 ニホンナシの病害虫

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