病害虫・雑草の情報基地

新規会員登録

ニホンナシの病害虫

診断のための特徴的な写真を掲載し、被害、発生、防除、薬剤(農薬)について簡潔に解説しています。

さび色胴枯病

Pectobacterium carotovorum(Erwinia carotovora subsp. carotovora) Dickeya chrysanthemi (Erwinia chrysanthemi pv. chrysanthemi ) 
《病原》細菌  《発病》枝幹部

写真をクリックすると拡大します

さび色胴枯病
閉じる

若木での激しい発病による枯死(安田文俊)

さび色胴枯病
閉じる

病斑部からにじみ出た赤褐色の樹液様物(安田文俊)

さび色胴枯病
閉じる

鉄さび色に固化した樹液様物(安田文俊)


被害

皮面を流れ落ち、しだいに固化して鉄さび色に変色する。発病部の表皮をはぐと形成層や木質部が褐変腐敗し、特有のアルコール発酵臭がある。病斑部が拡大して主幹や枝を取り巻くと、その部位より先端が急性的に萎凋枯死する。若木の場合は樹全体が枯死することもある。

発生

夏季から秋季に発生が認められる。本病は突発的に発生するが、8~9月に台風の被害を受けて発病する場合が多い。伝染方法は不明であるが、2種の病原細菌は多犯性の土壌伝染性細菌であり、降雨時の泥水のはね上がりなどによってナシ樹へ付着し、樹皮の裂け目や傷口などから感染するものと思われる。

防除

二次伝染を防ぐため、発病樹の病患部や枯死枝を剪除し、園外に持ち出して処分する。台風などの強風害を受けた枝幹部の傷口などを塗布剤で保護することは本病の予防につながると思われる。

薬剤(農薬)

なし※掲載している薬剤(農薬)は 2022年1月末現在登録のあるものから抜粋しています。
農薬の使用にあたっては必ずラベルを確認し、地域の防除暦や病害虫防除所等の指導に従ってください。


■農薬の登録情報について
最新の登録情報はこちらのページをご確認ください。(農林水産省 農薬登録情報提供システム)

■農薬の作用機構分類(国内農薬・概要)について
薬剤抵抗性の発達を回避するため、同一系統薬剤の連用を避け、ローテーション散布を心がけてください。

農薬の系統別分類はこちら
(国際団体CropLife International (CLI) の対策委員会が取りまとめた殺虫剤、殺菌剤、除草剤の分類表をクロップライフジャパンが日本語に翻訳:外部サイト)

RACコード(農薬の作用機構分類)

※実際の薬剤抵抗性対策については、お近くの病害虫防除所等関係機関などの指導に従ってください。

収録:防除ハンドブック「 ニホンナシの病害虫

目次へ戻る  | ホームへ戻る

稲の病害虫と雑草 |  ムギ類の病害虫 |  豆類の病害虫 | 
ジャガイモの病害虫 |  サツマイモの病害虫 |  アブラナ科野菜の病害虫 | 
  トマト・ナス・ピーマンの病害虫 |  キュウリ・スイカ・メロンの病害虫 |
   イチゴの病害虫 |  ネギ類の病害虫 |  菜園の病害虫 | 
カンキツの病害虫 |  リンゴの病害虫 |  日本ナシの病害虫 |
   西洋ナシの病害虫 |  モモの病害虫 |  カキの病害虫 | 
ブドウの病害虫 |  花の病害虫 |  難防除雑草