診断のための特徴的な写真を掲載し、被害、発生、防除、薬剤(農薬)について簡潔に解説しています。
葉に発生する。5月下旬頃から葉に不鮮明な退緑斑点が生じ、やがて1~3mmでやや角張った不整形の黒褐色病斑となる。病斑は1葉当たり数個から数十個まで様々であり、薬害による斑点や他の病害による病斑との区別が難しい場合がある。果実や枝幹部に目立った症状は認められないが、健全樹に比べて果実肥大がやや劣る。また、激しく発病すると早期落葉して樹勢が弱る。一度発病したナシ樹では毎年発病するようになるが、被害程度は年次によって差がある。
本病は接ぎ木によって伝染するため、ウイルスによる病害である可能性が示唆されているが、病原はまだ確認されていない。本病は品種によって発現性(発病する)と非発現性(感染していてもまったく発病しない)に分かれる。発現性品種:二十世紀、ゴールド二十世紀、おさゴールド、新高、新雪、にっこり、南水など。非発現性品種:幸水、豊水、新水、長十郎、新興、晩三吉、愛甘水、愛宕、あきづき、秋麗、王秋、なつしずくなど。
品種更新をしようとして発現性品種を高接ぎする場合に、台木とするナシ樹が本病に潜伏感染していると更新した品種で発病する。このため、非発現性品種に発現性品種を高接ぎする場合は、発現性品種の健全な穂木を予備的に接ぎ木し、潜伏感染の有無を確認しておく。もし、潜伏感染している場合は、高接ぎ後2年で症状が発現するため、発病した樹には高接ぎを行わない。
なし※掲載している薬剤(農薬)は
2022年1月末現在登録のあるものから抜粋しています。
農薬の使用にあたっては必ずラベルを確認し、地域の防除暦や病害虫防除所等の指導に従ってください。
■農薬の登録情報について
最新の登録情報はこちらのページをご確認ください。(農林水産省 農薬登録情報提供システム)
■農薬の作用機構分類(国内農薬・概要)について
薬剤抵抗性の発達を回避するため、同一系統薬剤の連用を避け、ローテーション散布を心がけてください。
農薬の系統別分類はこちら
(国際団体CropLife International (CLI) の対策委員会が取りまとめた殺虫剤、殺菌剤、除草剤の分類表をクロップライフジャパンが日本語に翻訳:外部サイト)
RACコード(農薬の作用機構分類)
※実際の薬剤抵抗性対策については、お近くの病害虫防除所等関係機関などの指導に従ってください。
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