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ニホンナシの病害虫

診断のための特徴的な写真を掲載し、被害、発生、防除、薬剤(農薬)について簡潔に解説しています。

うどんこ病

Phyllactinia mali
《病原》糸状菌  《発病》葉

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うどんこ病
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初期の白色粉状病斑(安田文俊)

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病斑上に形成された未熟な黄白色の閉子のう殻(安田文俊)

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成熟して黒色になった閉子のう殻(渡辺博幸)

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病斑上の閉子のう殻(拡大)(安田文俊)


被害

葉に発生する。梅雨明け頃から葉裏に不明瞭な円形の白色粉状病斑を形成する。病斑ははじめ散在するが、しだいに拡大して葉裏全体を覆うようになる。秋になると病斑上に黄白色の小粒(閉子のう殻)が形成され、やがて成熟すると黒色になる。盛夏期には発病はあまり進展しないが、気温が低下し始める9月上旬頃から発病が急激にまん延し、晩秋にかけて発病が続く。果実に発病しないため実害としては少ないが、激しく発病すると早期落葉を引き起こすため、樹勢の低下につながる。

発生

秋季に病斑上に形成された閉子のう殻が被害落葉上あるいは枝幹部に付着して越冬し、翌年に閉子のう殻から放出された子のう胞子が第一次伝染源となる。ナシ葉に付着した子のう胞子が感染して発病し、病斑上に形成された分生子が二次伝染を繰り返す。秋季に降雨が少なく、乾燥条件が続くと本病が多発しやすい。

防除

休眠期に罹病落葉を土中に埋めるなどして処分する。また、梅雨明け後~収穫期頃の発病初期の薬剤防除を徹底する。

薬剤(農薬)

アフェット/フルーツセイバー、アミスター、アンビル、オンリーワン、ストロビー、ナリア、プロパティ、ベルクート、ポリベリンなど。※掲載している薬剤(農薬)は 2022年1月末現在登録のあるものから抜粋しています。
農薬の使用にあたっては必ずラベルを確認し、地域の防除暦や病害虫防除所等の指導に従ってください。


■農薬の登録情報について
最新の登録情報はこちらのページをご確認ください。(FAMIC:外部サイト)

■農薬の作用機構分類(国内農薬・概要)について
薬剤抵抗性の発達を回避するため、同一系統薬剤の連用を避け、ローテーション散布を心がけてください。

農薬の系統別分類はこちら
(国際団体CropLife International (CLI) の対策委員会が取りまとめた殺虫剤、殺菌剤、除草剤の分類表を農薬工業会が日本語に翻訳:外部サイト)

・殺虫剤(IRAC)2022年6月版(ver.10.3) *PDFデータ

・殺菌剤(FRAC)2022年6月版 *PDFデータ

・除草剤(HRAC)2020年3月現在 *Excelデータ

※実際の薬剤抵抗性対策については、お近くの病害虫防除所等関係機関などの指導に従ってください。

収録:防除ハンドブック「 ニホンナシの病害虫

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