診断のための特徴的な写真を掲載し、被害、発生、防除、薬剤(農薬)について簡潔に解説しています。
日本全国に分布する史前外来種であるが、北海道には少なく暖地に多い。道端、空き地、樹園地、畑地等に生育し、特に麦作では水田転換畑、畑地ともに強害草となっている。
ムギにからみつきながら生育し、倒伏や収穫作業の支障となる。また、種子が収穫物に混入すると品質低下をもたらす。
種子で繁殖する一年生雑草であり、主に秋に発生し越年するが春にも発生する。出芽深度は大部分が2cmまでの表層だが、まれに8cm程の深さからも出芽し、出芽期間は長い。
八重(ヤエ)の名の通り一節当たり6~8枚の細長い葉が茎を取り囲むようにつく。茎、葉など全体にとげが密につく。地際で分枝し他物に寄り掛かり、60~90cmの高さまで立ち上がる。
果実は直径2mm程度で、とげで衣服や動物に付着する。
ムギ畑では播種後に土壌処理除草剤を散布する。ヤエムグラは発生期間が長いため、土壌処理剤の効果が切れた後に発生が見られた場合は、茎葉処理除草剤を用いて防除する。
ムギ播種後の土壌処理はプロスルホカルブを含有する薬剤(ムギレンジャー、キックボクサー、ボクサー等)の効果が高い。
茎葉処理剤はヤエムグラ2~6節期でエコパートが卓効を示す他、2~4葉期でアクチノールの効果が高い。
(大島匡郎)
※掲載している薬剤(農薬)は
2021年5月末現在登録のあるものから抜粋しています。
農薬の使用にあたっては必ずラベルを確認し、地域の防除暦や病害虫防除所等の指導に従ってください。
■農薬の登録情報について
最新の登録情報はこちらのページをご確認ください。(農林水産省 農薬登録情報提供システム)
■農薬の作用機構分類(国内農薬・概要)について
薬剤抵抗性の発達を回避するため、同一系統薬剤の連用を避け、ローテーション散布を心がけてください。
農薬の系統別分類はこちら
(国際団体CropLife International (CLI) の対策委員会が取りまとめた殺虫剤、殺菌剤、除草剤の分類表をクロップライフジャパンが日本語に翻訳:外部サイト)
RACコード(農薬の作用機構分類)
※実際の薬剤抵抗性対策については、お近くの病害虫防除所等関係機関などの指導に従ってください。
稲の病害虫と雑草 |
ムギ類の病害虫 |
豆類の病害虫 |
ジャガイモの病害虫 |
サツマイモの病害虫 |
アブラナ科野菜の病害虫 |
トマト・ナス・ピーマンの病害虫 |
キュウリ・スイカ・メロンの病害虫 |
イチゴの病害虫 |
ネギ類の病害虫 |
菜園の病害虫 |
カンキツの病害虫 |
リンゴの病害虫 |
日本ナシの病害虫 |
西洋ナシの病害虫 |
モモの病害虫 |
カキの病害虫 |
ブドウの病害虫 |
花の病害虫 |
難防除雑草