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難防除雑草

診断のための特徴的な写真を掲載し、被害、発生、防除、薬剤(農薬)について簡潔に解説しています。

センダングサ類

Bidens frondosa(アメリカセンダングサ)
Bidens pilosa var. pilosa(コセンダングサ)
Bidens pilosa var. radiata(アワユキセンダングサ、別名オオバナノセンダングサ)
キク科

キク科センダングサ属は葉の形状が落葉樹のセンダンに似ていることがその名の由来となっている。そのなかで難防除雑草として知られているのは、水田転換畑で問題となるアメリカセンダングサと南西諸島のサトウキビ畑で問題となるアワユキセンダングサが挙げられる。他に身近な種としては、道ばたや荒れ地に生育し、時に畑地へ侵入するコセンダングサがある。
アメリカセンダングサは北アメリカ原産で日本へは大正年間に侵入し、現在では北海道~沖縄まで全国各地に分布している。土壌水分の多い条件を好むが、環境に対する適応力が高く、水田の田面が露出した部分や畦畔際、転換畑、路傍や空き地、畑地でも雑草化する。
コセンダングサは熱帯アメリカ原産で日本には明治年間に侵入した。本州以南に分布。畑地など水田以外ではアメリカセンダングサよりも多く見られる。変種が多い。
アワユキセンダングサはコセンダングサの変種とされる。熱帯アメリカ原産で日本へは江戸時代末期に観賞用として導入された。沖縄県には戦後侵入し、道端、荒れ地、畑地に生育しており、サトウキビ畑では強害草となっている。近年、四国、九州にも定着しつつある。地域により一年生だが、南西諸島では通年開花の多年生である。

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花期のアメリカセンダングサ©全農教

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生育途中のアメリカセンダングサ©全農教

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アメリカセンダングサの葉。3~5小葉の複葉©全農教

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アメリカセンダングサの頭状花。管状花のみで舌状花はない。総苞片が小さな葉のように見える©全農教

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総苞片の短いアメリカセンダングサの頭状花©全農教

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アメリカセンダングサの果実。果実(そう果)は扁平。2本のとげで衣服などにつく©全農教

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花期のコセンダングサ©全農教

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コセンダングサの葉。アメリカセンダングサにくらべて小葉の先があまりとがらない©全農教

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コセンダングサの頭状花。ふつう舌状花はない©全農教

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コセンダングサの果実。果実(そう果)は細長く先に2,3本のとげがある©全農教

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アワユキセンダングサ。頭状花が大きく白い舌状花が目立つ©全農教


生態

●アメリカセンダングサ
種子から繁殖する一年生雑草である。地上部全体はしばしば暗紫色を帯び、茎の切り口は四角形で、よく分枝して高さ50~150cmに達する。花序(頭状花)は分枝した枝の先端につく。花序の総苞片が大きく伸びることが特徴で、他のセンダングサ類と区別される。果実(そう果)には2本のとげがあり、とげには逆向きの剛毛がある。人間の衣服や動物に付着して拡散される。
●コセンダングサ
種子から繁殖する一年生雑草である。茎の切り口は四角形で、よく分岐分枝して高さ50~100cm。花序(頭状花)は分枝した枝の先端につく。花序にはふつう舌状花がなく筒状花のみである。果実(そう果)は長さ約10mmには2~3本、ときに4本のとげがある。
●アワユキセンダングサ
種子から繁殖する一年生、または多年生雑草である。茎には毛があり、高さは50~150cmになる。茎ははじめ直立するが、伸長すると倒伏し、分枝するとともにほふくして横に広がる。茎の先端から伸びた数本の花柄の先に約3cm径の花序をつける。花序の周縁部に5個前後の白い大きな舌状花が目立つ。果実(そう果)は長さ7~13mmの細いこん棒状で、先端に鋭いとげが2~3本ある。

防除

●アメリカセンダングサ
水田では湛水状態で発芽が抑えられるため、代掻きを均一にし、田面が露出する部分をつくらないことが重要である。発芽、定着後は湛水条件下でも生育し、大きな株になると薬剤での防除が困難で抜き取りにも骨が折れるので、早期に発見できた場合は抜き取るか、発生数が多ければ水稲用の茎葉処理剤で防除する。
転換畑では主にダイズ作の強害雑草として知られている。水田転換畑では特に耕うんによる砕土が粗くなりがちなので、播種後の土壌処理剤の効果を安定させるためにできるだけ砕土を細かくすることが肝要である。また、現行の土壌処理剤の中にはアメリカセンダングサに卓効を示すものがなく、播種後の土壌処理剤による効果が不足した場合は、中耕等の耕種的防除か茎葉処理剤を用いて防除する必要がある。
また、結実後に刈り払いや抜き取りを行う場合には、たとえ種子が未成熟な時期でも発芽能力があるので、防除した株は圃場外に持ち出す必要がある。
●コセンダングサ
畑地での防除はアメリカセンダングサ同様、土壌処理剤の効果が期待できないため、耕種的防除と茎葉処理剤の使用が主体となる。
●アワユキセンダングサ
サトウキビ畑では生育初期に競合を防ぐことが重要であり、植付け後または株揃え後の土壌処理剤と、その後の中耕、培土および茎葉処理剤により防除する。サトウキビの生育が進み日陰となった条件下でも生育し、長期的に雑草害を及ぼすため、圃場内への立ち入りが容易な初期に防除し、取り残しを出さないことが肝要である。

薬剤(農薬)

●アメリカセンダングサ
水田では一発処理剤等の効果が高いので、湛水条件下での初期発生を抑え、残草個体にはバサグラン、ワイドアタック等の後期剤を用いる。
ダイズ畑ではエコトップ、ラクサー等の土壌処理剤や中耕培土等の耕種的防除の組み合わせで防除し、さらに必要な場合にはダイズバサグランの全面処理あるいは畦間処理が有効である。また、畦間・株間処理が可能なバスタ、リニュロン、ダイロンゾルも使える。さらに、ダイズの草丈を越えた大きな個体には、タッチダウンiQの塗布処理、ラウンドアップマックスロードの収穫前全面散布が手取り除草に代わる手段となる。他の作物については、当該作物に登録のある非選択性茎葉処理剤(バスタ、ザクサ、ラウンドアップマックスロード等)が畦間処理で使用できる。
●コセンダングサ
畑地での防除はアメリカセンダングサに準ずる。
●アワユキセンダングサ
サトウキビ畑での生育初期に用いられる除草剤は、センコル等の雑草発生前から初期に使用する土壌処理剤と、雑草生育期まで使用できるDCMU剤(カーメックスD、ダイロン等)、アージラン等の茎葉兼土壌処理剤または2,4-Dアミン塩等の茎葉処理剤がある。また、サトウキビの畦間を処理できる期間であれば、グリホサート剤(ラウンドアップマックスロード、タッチダウンiQ等)やプリグロックスL等を用いて防除可能である。
(大島匡郎)

※掲載している薬剤(農薬)は 2021年5月末現在登録のあるものから抜粋しています。
農薬の使用にあたっては必ずラベルを確認し、地域の防除暦や病害虫防除所等の指導に従ってください。


■農薬の登録情報について
最新の登録情報はこちらのページをご確認ください。(FAMIC:外部サイト)

■農薬の作用機構分類(国内農薬・概要)について
薬剤抵抗性の発達を回避するため、同一系統薬剤の連用を避け、ローテーション散布を心がけてください。

農薬の系統別分類はこちら
(国際団体CropLife International (CLI) の対策委員会が取りまとめた殺虫剤、殺菌剤、除草剤の分類表を農薬工業会が日本語に翻訳:外部サイト)

・殺虫剤(IRAC、2016年4月版 ver.8.1) *PDFデータ

・殺菌剤(FRAC、2017年4月版) *PDFデータ

・除草剤(HRAC、 2016年9月版 *Excelデータ

※実際の薬剤抵抗性対策については、お近くの病害虫防除所等関係機関などの指導に従ってください。

収録:防除ハンドブック「 難防除雑草

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