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難防除雑草

診断のための特徴的な写真を掲載し、被害、発生、防除、薬剤(農薬)について簡潔に解説しています。

オオアレチノギク・ヒメムカシヨモギ

Conyza sumatrensis(オオアレチノギク)
Conyza canadensis(ヒメムカシヨモギ)
キク科

明治から大正年間に侵入したとされる帰化植物。本州以南の各地に広く定着する。道端や荒れ地で見られ、農耕地では、樹園地、牧草地、水田畦畔や畑周りの他、芝地の雑草としても問題となる。

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オオアレチノギク・ヒメムカシヨモギ
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花期のヒメムカシヨモギとオオアレチノギクの群生©全農教

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混生するヒメムカシヨモギとオオアレチノギク©全農教

オオアレチノギク・ヒメムカシヨモギ
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ヒメムカシヨモギ(左)とオオアレチノギク(右)の花序全体の比較©全農教

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オオアレチノギクのロゼット©全農教

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オオアレチノギクの茎の毛は密で短い©全農教

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オオアレチノギクの頭花には舌状花がなく管状花のみ©全農教

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ヒメムカシヨモギの若いロゼット©全農教

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ヒメムカシヨモギの大きくなったロゼット©全農教

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ヒメムカシヨモギの茎の毛は粗く長い©全農教

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ヒメムカシヨモギの頭花には白い舌状花がある©全農教

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ヒメムカシヨモギの果実©全農教

オオアレチノギク・ヒメムカシヨモギ
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参考:アレチノギク。主軸の成長が止まり全体は小さい。花序は大きい。©全農教


生態

夏から秋に発生し、ロゼットで越冬する越年生雑草である。
春にロゼットから茎が直立し、夏には1~2m程度まで生長する。夏~秋に茎の上部に円錐状の花序をつける。果実は痩果で冠毛により広く拡散する。一つの個体で10万個以上の種子を生産するとされている。
オオアレチノギクとヒメムカシヨモギとの見分けは難しいが、舌状花の有無、茎の毛などで識別できる。
近縁種のアレチノギクは主軸の成長が止まり大きく直立することはない。

防除

刈り払いや除草剤による防除が基本となる。春以降に茎が直立し生育が旺盛になるため、防除の時期を逸しないように注意する。
一般にキク科植物は多数の種子を広範囲に拡散させるため、その前に防除することで次の発生を減らす。

薬剤(農薬)

対象雑草に一年生雑草、または一年生広葉雑草を含む薬剤が防除に使用できる。
中でも、生育期を対象とした非選択性茎葉処理剤あるいは広葉雑草を対象とした薬剤が有効である。非選択性茎葉処理剤にはラウンドアップマックスロード、タッチダウンiQ、サンフーロンなどのグリホサートを有効成分にもつ薬剤、バスタ、ザクサなどのグルホシネートを有効成分にもつ薬剤、プリグロックスLなどがある。
広葉雑草対象剤は2,4-PA、MCP、トリクロピルなどの広葉植物に選択的に作用する有効成分をもつ薬剤が挙げられるが、オオアレチノギクなどが生え揃った後に草丈が30cm程度と大きくなりすぎないうちに、適用範囲の多めの薬量を用いて茎葉にしっかりと散布する。
芝地では使用可能な薬剤が限られる。広葉雑草対象薬剤か、あるいは発生前に使用する土壌処理剤が防除に使用できる。土壌処理剤の中には、キク科雑草に対する効果が劣ると注意書きされている薬剤があるため、注意する。
1989年に有効成分パラコートに対する抵抗性が報告されている。その後に登場した有効成分グルホシネート、グリホサートの除草剤の使用により防除が可能となり、話題にのぼらなくなった。しかし、2017年にはグリホサートに対する抵抗性についても報告されている。
同じような条件で使用した際に、今までと同程度の除草効果が得られなくなった場合には、抵抗性である可能性を考慮して、別の有効成分の薬剤を選ぶ必要がある。また、抵抗性雑草を増やさないための対策として、適用範囲の多めの薬量を使用して種子をつける個体を全てなくすこと、同じ薬剤を繰り返し使用しないことが挙げられる。
(山木義賢)

※掲載している薬剤(農薬)は 2021年5月末現在登録のあるものから抜粋しています。
農薬の使用にあたっては必ずラベルを確認し、地域の防除暦や病害虫防除所等の指導に従ってください。


■農薬の登録情報について
最新の登録情報はこちらのページをご確認ください。(農林水産省 農薬登録情報提供システム)

■農薬の作用機構分類(国内農薬・概要)について
薬剤抵抗性の発達を回避するため、同一系統薬剤の連用を避け、ローテーション散布を心がけてください。

農薬の系統別分類はこちら
(国際団体CropLife International (CLI) の対策委員会が取りまとめた殺虫剤、殺菌剤、除草剤の分類表をクロップライフジャパンが日本語に翻訳:外部サイト)

RACコード(農薬の作用機構分類)

※実際の薬剤抵抗性対策については、お近くの病害虫防除所等関係機関などの指導に従ってください。

収録:防除ハンドブック「 難防除雑草

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