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カキの病害虫

診断のための特徴的な写真を掲載し、被害、発生、防除、薬剤(農薬)について簡潔に解説しています。

ロウムシ類


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ロウムシ類
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ツノロウムシの付着状況。雌成虫は体長約6~8mm ©堤隆文

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ツノロウムシ幼虫 ©全農教

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ツノロウムシ ©全農教

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カメノコロウムシ。ツノロウムシよりやや小型で,雌成虫は体長約4~5mm ©全農教

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ルビーロウムシ。雌成虫は体長約3~4mm。周囲にすす病が発生している ©全農教


ツノロウムシ

Ceroplastes ceriferus

カメムシ(半翅)目カタカイガラムシ科 《加害》葉・枝

カメノコロウムシ

Ceroplastes japonicus

カメムシ(半翅)目カタカイガラムシ科 《加害》葉・枝

ルビーロウムシ

Ceroplastes rubens

カメムシ(半翅)目カタカイガラムシ科 《加害》葉・枝

被害

葉や枝に寄生する。コナカイガラムシ類と同様に「すす病」発生の原因となるが、枝の吸汁による樹勢の低下の方が大きな被害である。生育期は葉が繁茂し発生を見落としがちで、落葉後に発生に気づくことが多い。特に、白色のツノロウムシ、カメノコロウムシの被害は目立つ。

発生

3種ともに年1回の発生で雌成虫で越冬する。越冬雌は5〜6月にロウ物質下に産卵する。ふ化幼虫は風により分散し枝や葉に定着する。定着した幼虫は背面からロウ物質を分泌しながら成長する。

防除

剪定時に越冬虫をこすり落としたり、寄生枝を切除する。越冬虫は厚いロウ物質に覆われているため休眠期のマシン油の効果は低く、ふ化幼虫の分散期(7月)に薬剤を2,3回散布するのが効果的である。なお、ルビーロウムシにはルビーアカヤドリコバチという有力な天敵がいるのでハチの寄生したロウムシ(黒色で小型化している)を雑木などから採集しハチの羽化時期(5月下旬〜7月上旬、8月下旬〜9月下旬)に園内に導入するのも一つの方法である。

薬剤(農薬)

コルト、ダントツ、モスピラン、モベント※掲載している薬剤(農薬)は 2022年1月末現在登録のあるものから抜粋しています。
農薬の使用にあたっては必ずラベルを確認し、地域の防除暦や病害虫防除所等の指導に従ってください。


■農薬の登録情報について
最新の登録情報はこちらのページをご確認ください。(農林水産省 農薬登録情報提供システム)

■農薬の作用機構分類(国内農薬・概要)について
薬剤抵抗性の発達を回避するため、同一系統薬剤の連用を避け、ローテーション散布を心がけてください。

農薬の系統別分類はこちら
(国際団体CropLife International (CLI) の対策委員会が取りまとめた殺虫剤、殺菌剤、除草剤の分類表をクロップライフジャパンが日本語に翻訳:外部サイト)

RACコード(農薬の作用機構分類)

※実際の薬剤抵抗性対策については、お近くの病害虫防除所等関係機関などの指導に従ってください。

収録:防除ハンドブック「 カキの病害虫

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