診断のための特徴的な写真を掲載し、被害、発生、防除、薬剤(農薬)について簡潔に解説しています。
根に発生するが、被害は地上部の萎凋、枯死として現れる。土を掘り上げると、根面に紫褐色の菌糸束がはびこったり、赤紫色、フェルト状の子実体(菌糸膜)が根面を覆っている。これらは後に根の皮層部を腐敗させる。根量の大半が侵されるか、主幹部直下の根幹部が侵されると葉の黄変落葉や新梢の伸長不良など萎凋症状を示し、枯死する。
伝染源は土壌中の菌糸である。苗木を植え付けると、根の伸長とともに菌糸も伸展する。菌糸膜が根面を覆うと、侵入座を形成し皮層部に感染する。本病原菌は多くの植物に寄生し、また土壌中の未分解有機物などで長期生存可能であることから、新植園、改植園ともに発生が問題となる。水田転換園では、苗木や客土による本菌の持ち込みがないかぎり発生しない。
樹勢を適正に維持する。有効薬剤を土壌灌注処理する。
植付前または発病跡地の土壌消毒剤としてNCS、クロールピクリン(適用病害名:紋羽病)、バスアミド。植付前の苗木浸漬消毒剤としてステンレス、フロンサイド、ベフラン。植付後の土壌消毒剤としてステンレス、フロンサイド、リゾレックス。※掲載している薬剤(農薬)は
2022年1月末現在登録のあるものから抜粋しています。
農薬の使用にあたっては必ずラベルを確認し、地域の防除暦や病害虫防除所等の指導に従ってください。
■農薬の登録情報について
最新の登録情報はこちらのページをご確認ください。(農林水産省 農薬登録情報提供システム)
■農薬の作用機構分類(国内農薬・概要)について
薬剤抵抗性の発達を回避するため、同一系統薬剤の連用を避け、ローテーション散布を心がけてください。
農薬の系統別分類はこちら
(国際団体CropLife International (CLI) の対策委員会が取りまとめた殺虫剤、殺菌剤、除草剤の分類表をクロップライフジャパンが日本語に翻訳:外部サイト)
RACコード(農薬の作用機構分類)
※実際の薬剤抵抗性対策については、お近くの病害虫防除所等関係機関などの指導に従ってください。
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