診断のための特徴的な写真を掲載し、被害、発生、防除、薬剤(農薬)について簡潔に解説しています。
春に、成虫が新梢や花そうの基部を口吻で穿つため、加害枝の先端が枯れ下がる。また、小さな幼果も穿つため、変形果やサビ果の原因となる。幼果が小指~親指大になると産卵を開始し、産卵した果実の果梗や果そうの基部を半分程度の深さで切断する。このため、多発生の場合は、結実が皆無になることもある。
九州以北に分布する。1年1回発生と2年1回発生が混在する。1年1回型は、幼虫が土中に潜って虫室を作り、秋に成虫になって越冬し、開花直前頃から6月上旬に出現する。2年1回型は幼虫で土中で越冬し、2年目の秋には成虫になって越冬し、5月上旬頃から出現する。産卵盛期は6月上旬頃である。幼虫は産卵された果実内で発育し、7月中旬~8月下旬に被害果から脱出して、土中に潜る。
雌雄成虫は濃い赤紫色で光沢を帯び、同色の微毛をやや密に生じる。雌成虫の体長は約10mm(口吻を除く)で、雄成虫はやや小型である。
山間部の園で発生が多い。発生が多い場合は、落花期に薬剤を散布する。本種に適用のある合成ピレスロイド剤の散布が効果的である。
アグロスリン、アディオン、エルサン、サイハロン、バイスロイド、マブリック。※掲載している薬剤(農薬)は
2022年1月末現在登録のあるものから抜粋しています。
農薬の使用にあたっては必ずラベルを確認し、地域の防除暦や病害虫防除所等の指導に従ってください。
■農薬の登録情報について
最新の登録情報はこちらのページをご確認ください。(農林水産省 農薬登録情報提供システム)
■農薬の作用機構分類(国内農薬・概要)について
薬剤抵抗性の発達を回避するため、同一系統薬剤の連用を避け、ローテーション散布を心がけてください。
農薬の系統別分類はこちら
(国際団体CropLife International (CLI) の対策委員会が取りまとめた殺虫剤、殺菌剤、除草剤の分類表をクロップライフジャパンが日本語に翻訳:外部サイト)
RACコード(農薬の作用機構分類)
※実際の薬剤抵抗性対策については、お近くの病害虫防除所等関係機関などの指導に従ってください。
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