診断のための特徴的な写真を掲載し、被害、発生、防除、薬剤(農薬)について簡潔に解説しています。
主に葉の裏面に寄生して吸汁加害する。被害は、季節的に樹の内側~外側に広がる。被害葉は裏側が褐変し、多発生の場合には表側も褐変して、早期落葉を引き起こすことがある。このため、同化機能が低下し、花芽形成、果実肥大、着色に影響する。秋に多発した場合は、橙色の越冬成虫が果実のがくあ部に多数集合する。
北海道、本州、四国、九州に分布する。雌成虫が樹幹の粗皮下や地表の落葉などに、コロニーを作って越冬する。越冬成虫はリンゴの発芽期頃から離脱し、初めは地表の下草や樹の徒長枝葉など等に寄生する。発生盛期は7~8月で、9月中旬頃から越冬成虫が出現する。
雌成虫は体長約0.6mmの卵型で、淡黄~淡黄褐色を呈し、胴部の左右に大型の斑紋(スポット)を有する。雄成虫は体長約0.45mmで、体の後方はとがっている。
休眠期に主幹や主枝、太枝の粗皮削りを行い、越冬密度を低下させる。また、徒長枝の剪去処分を開花中と落花20日後までに2回行い、初期の発生を抑制する。例年の殺ダニ剤の散布時期は、7月上旬~中旬と8月中旬頃である。なお、ハダニ類は薬剤抵抗性が発達しやすいので、同系統および作用点が同一の殺ダニ剤の連用は避ける方が望ましい。
カネマイト、コロマイト、ダニオーテ、ダニゲッター、マイトコーネなど。※掲載している薬剤(農薬)は
2022年1月末現在登録のあるものから抜粋しています。
農薬の使用にあたっては必ずラベルを確認し、地域の防除暦や病害虫防除所等の指導に従ってください。
■農薬の登録情報について
最新の登録情報はこちらのページをご確認ください。(農林水産省 農薬登録情報提供システム)
■農薬の作用機構分類(国内農薬・概要)について
薬剤抵抗性の発達を回避するため、同一系統薬剤の連用を避け、ローテーション散布を心がけてください。
農薬の系統別分類はこちら
(国際団体CropLife International (CLI) の対策委員会が取りまとめた殺虫剤、殺菌剤、除草剤の分類表をクロップライフジャパンが日本語に翻訳:外部サイト)
RACコード(農薬の作用機構分類)
※実際の薬剤抵抗性対策については、お近くの病害虫防除所等関係機関などの指導に従ってください。
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