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リンゴの病害虫

診断のための特徴的な写真を掲載し、被害、発生、防除、薬剤(農薬)について簡潔に解説しています。

ナシマルカイガラムシ

Diaspidiotus perniciosus
カメムシ目マルカイガラムシ科 《加害》葉、枝、幹、果実

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ナシマルカイガラムシ
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雌成虫 ©舟山健

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被害樹 ©全農教

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被害果 ©舟山健

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被害枝 ©舟山健


被害

主に枝幹に寄生して吸汁加害し、発生密度が高くなると果実や葉にも寄生する。加害された枝の表面や表皮下は赤紫色を呈し、発生が多い場合は、枝や樹全体が枯れる。果実に寄生すると、寄生部の周囲が赤紫色に変色し、商品価値を低下させる。葉でも寄生部位の周辺が赤紫色に変色し、早期に落葉することがある。

発生

全国に分布する。年2~3回発生し、樹皮に付着したカイガラの下で幼虫越冬するものが多く、一部は成虫で越冬する。5月中旬頃から成虫になり、胎生で繁殖する。ふ化幼虫は6~9月まで出現し、適当な場所に定着すると間もなくカイガラを形成する。

形態

雌成虫のカイガラは直径約2mmの円形で、介殻の下には黄色い楕円形の虫体がみられる。雄の介殻はやや細長く小型である。

防除

休眠期のマシン油乳剤の散布は防除効果が高い。前年に発生の多かった園では、第1世代歩行幼虫の増加期(例年は6月下旬~7月上旬頃)に薬剤を散布する。

薬剤(農薬)

発芽前までにマシン油乳剤(スプレーオイル、トモノールS、ハーベストオイル)。発芽後~開花前または第1世代歩行幼虫の増加期にアプロード。※掲載している薬剤(農薬)は 2022年1月末現在登録のあるものから抜粋しています。
農薬の使用にあたっては必ずラベルを確認し、地域の防除暦や病害虫防除所等の指導に従ってください。


■農薬の登録情報について
最新の登録情報はこちらのページをご確認ください。(農林水産省 農薬登録情報提供システム)

■農薬の作用機構分類(国内農薬・概要)について
薬剤抵抗性の発達を回避するため、同一系統薬剤の連用を避け、ローテーション散布を心がけてください。

農薬の系統別分類はこちら
(国際団体CropLife International (CLI) の対策委員会が取りまとめた殺虫剤、殺菌剤、除草剤の分類表をクロップライフジャパンが日本語に翻訳:外部サイト)

RACコード(農薬の作用機構分類)

※実際の薬剤抵抗性対策については、お近くの病害虫防除所等関係機関などの指導に従ってください。

収録:防除ハンドブック「 リンゴの病害虫

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