被害

ふ化幼虫が葉内を食害する。食害痕はマインと呼ばれ、初めはトンネル状であるが、幼虫の発育とともに輪を描いた形となり、葉が裏側に湾曲する。一葉が複数の幼虫に加害されると、葉全体が縮れて著しく変形する。このため、葉の同化作用が低下し、果実肥大や着色に悪影響を及ぼす。被害は樹冠内部や下部の葉に多く、上部に少ない傾向がある。リンゴの生育期前半の被害葉は、8月以降に黄変落葉することがある。

発生

北海道、本州、四国北部、九州北部に分布する。年4回発生し(一部5回発生)、リンゴの落葉内で、蛹で越冬する。北東北地方で成虫は、越冬世代は4月下旬〜5月上旬、第1世代は6月上旬〜6月中旬、第2世代は7月上旬〜7月中旬、第3世代は8月中旬頃に多く観察される。成虫はリンゴ葉の裏側に1粒ずつ卵を産みつけ、第2世代以降に被害が目立つようになる。

形態

雌雄成虫は体長約2mm、翅の開張は約6mmで、金色の翅に銀白の線状紋がある。若齢幼虫は無脚であるが、成長とともに有脚になり、体長は約6mmで、黄緑色を呈する。

防除

台木の根ばえを5月下旬までに切り取り、第1世代期の発生密度を低下させる。薬剤散布は成虫の発生期に行い、第2世代と第3世代が重点防除期である。

薬剤（農薬）

アグロスリン、アドマイヤー、エクシレル、カスケード、サイハロン、サムコル、スカウト、テッパン、ディアナ、デミリン、ノーモルト、パーマチオン、バイスロイド、バリアード、フェニックス、マブリック、モスピラン、ロディーなど。※掲載している薬剤（農薬）は 2022年1月末現在登録のあるものから抜粋しています。
農薬の使用にあたっては必ずラベルを確認し、地域の防除暦や病害虫防除所等の指導に従ってください。

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■農薬の登録情報について
最新の登録情報はこちらのページをご確認ください。(農林水産省 農薬登録情報提供システム)

■農薬の作用機構分類(国内農薬・概要)について
薬剤抵抗性の発達を回避するため、同一系統薬剤の連用を避け、ローテーション散布を心がけてください。

農薬の系統別分類はこちら
（国際団体CropLife International (CLI) の対策委員会が取りまとめた殺虫剤、殺菌剤、除草剤の分類表をクロップライフジャパンが日本語に翻訳：外部サイト）

RACコード（農薬の作用機構分類）

※実際の薬剤抵抗性対策については、お近くの病害虫防除所等関係機関などの指導に従ってください。