診断のための特徴的な写真を掲載し、被害、発生、防除について簡潔に解説しています。
口針を果実に刺して吸汁する。肥大初期の幼果が加害されると奇形となり落果する。ある程度肥大が進んだ果実では落果はしないが、加害部位から汁液が噴出したり、果肉が変色、スポンジ状に変質したりする。
最も主要な加害種であるチャバネアオカメムシは、森林の落ち葉で成虫が越冬する。春になり気温が上昇すると越冬場所を離れ、活動を開始する。サクラやクワの実、スギ・ヒノキの球果など様々な植物を吸汁するが、そのなかで果樹園にも飛来し、モモをはじめ、オウトウ、ナシ、リンゴ、カキなど幅広い果樹類を加害する。年間の発生世代数は2~3世代とみられる。
チャバネアオカメムシの成虫の体長は約10mmで、光沢のある緑色の体に、茶褐色の翅をもつ。クサギカメムシの成虫の体長は約15mmで、体色は細かい茶褐色の斑紋があるが、全体的には暗褐色にみえる。ツヤアオカメムシ、アオクサカメムシ、ミナミアオカメムシは、翅の下の腹部背面や触角の色彩、小楯板上端の斑点の有無などに差はあるものの体色は緑色で類似している。
殺虫剤の散布による防除が中心となり、地域で一斉に実施することで防除効率が上がる。防虫網は有効ではあるが、コストや栽培作業上の都合から設置が難しい場合も多い。果実袋の使用も被害軽減につながるが、果実の肥大にともなって果実と袋が密着するようになると、袋の上からも吸汁されることがあるので注意が必要である。
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