診断のための特徴的な写真を掲載し、被害、発生、防除について簡潔に解説しています。
幼虫が果実内に食入し、果肉を食害して果実外に粒状の虫糞を排出する。多くの場合、果柄部付近から食入して、糸で枝と果実を虫糞とともにつづり合わせる。被害は越冬世代成虫の発生時期に当たる6~7月に多くみられる。また、8月以降の第1世代成虫の発生時期は、晩生種で被害が発生する。
越冬は老熟幼虫が樹皮の隙間、取り残しの被害果などに繭を作って行う。年2~3回発生する。年2回発生の場合、越冬世代成虫は5月下旬頃から羽化し始め、6月上旬頃に盛期となり、7月上中旬頃まで発生する。第1世代成虫は8月上旬~9月下旬頃に発生する。本種は8月以降、主としてクリ、カキ等へ産卵・寄生するため、モモ園での越冬量はあまり多くない。
成虫は開張25~26mm、全体が黄色で、翅にはゴマ状の小黒点が散在する。卵は楕円形で、はじめ乳白色であるがふ化が近づくと紅色となる。幼虫は他のシンクイムシ類に比べて大型で胴部背面は暗赤色、各節に多数の褐色斑がある。
幼虫の食入防止が主体となる。越冬世代成虫の発生ピーク直後頃の防除が中心で、晩生種では第1世代成虫の発生期の防除も必要となる。
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