診断のための特徴的な写真を掲載し、被害、発生、防除について簡潔に解説しています。
幼虫が新梢先端部または果実に食入する。新梢に食入すると、食入部より先端が枯死して「芯折れ」と呼ばれる被害となる。芯折れにより新梢先端の芽が動き不規則に枝が発生し、整枝等が難しくなる。果実では、果心部に向かって食入する場合と果皮直下を潜って食害する場合がある。果実被害は早生種より中~晩生種で多い。
老熟幼虫が樹皮下や枝の表皮の裂け目などに粗繭を作って越冬する。越冬後幼虫は3月中旬頃から蛹化を始め、第1世代成虫の発生は3月下旬頃から始まるが、暖地では早く、寒地や高標高地ではやや遅れる。発生回数は、九州では年6回、関東・東海・近畿・中国・四国では年4~5回、北陸・山陰では4回、東北では年3~4回、北海道では年2~3回程度といわれている。年4回発生の場合、越冬世代は4月下旬~5月上旬頃、第1世代は6月中旬~7月上旬頃、第2世代は7月下旬~8月中旬頃、第3世代は8月下旬~9月中旬頃に発生する。
成虫は開張10~16mmで、前翅の地色は暗褐色。雄成虫の後翅の外縁部は連続した曲線で、発香鱗がある。幼虫は全体的に淡紅色。老熟幼虫は体長約12mmで、前胸背楯は淡黄褐色。卵は扁平の楕円形で、乳白色~黄褐色。
防除は幼虫の食入防止を目的に行う。被害新梢および被害果は早めに取り除き、園内の密度を下げる。また、本種の密度を抑制するための交信かく乱剤も有効である。
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