診断のための特徴的な写真を掲載し、被害、発生、防除について簡潔に解説しています。
果実、枝および葉柄に発生する。主に果実被害が直接商品性に影響し実害となる。果実では5月下旬〜6月頃にかけて幼果の表面に暗緑色の小さな斑点を生じ、6月〜収穫期頃にかけて梗あ部から赤道部にかけて暗緑色〜黒色、ソバカス状の丸い斑点ができる。多発すると斑点が寄り集まってカサブタ状になり、表面がコルク化して果実肥大が妨げられ、肥大に伴って亀裂する。
本病菌に対する感受性に品種間差はない。枝病斑に形成された分生胞子が第一次伝染源となる。分生胞子の飛散開始時期の早晩には生産地における気候の推移や生育ステージが影響するが、一般に果実感染は5月上旬〜7月中旬頃、発病が認められるのは6月中旬頃の幼果期からである。感染から発病までの潜伏期間は、概ね果実で20〜35日、枝で30〜40日である。早生種では感染しても、発病前に収穫期を迎え、見かけ上、果実発病は少なく、中・晩生種では感染期間が長いため防除に失敗すると思わぬ被害を被る。
本病はモモの主要病害の一つに数えられるが、防除時期や薬剤による防除法が確立しており、一般的な体系的防除により多発して実害を被ることは少ない。例年発生の多い園では有袋栽培により感染を抑制できる。本病に対する薬剤防除は落花後から約10〜14日間隔で散布を実施し、最終防除時期は品種の早晩性と袋かけの有無も影響するが、病原菌の感染後の潜伏期間を考慮して、収穫予定日から約40日遡った日を目安とする。
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