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ハンドブック モモの病害虫

診断のための特徴的な写真を掲載し、被害、発生、防除について簡潔に解説しています。

黒かび病

Rhizopus nigricans
《病原》糸状菌 《発病》果実

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黒かび病
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樹上発病果 Ⓒ尾形正

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樹上発病果(ネクタリン)Ⓒ尾形正

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段ボール箱内での果実発病 Ⓒ尾形正


被害

本病菌は多犯性であり、多くの果物や果菜類に寄生する。収穫期の成熟果に発病し果実を軟腐させるが、樹上の幼果や未熟果に発病することはない。病勢の進展が非常に速いのが特徴である。

発生

病原菌は腐生性の強い菌であり、収穫後、選果荷造りの過程、輸送、貯蔵中あるいは店頭などで発病する。収穫かごや収穫・運搬用コンテナおよびその緩衝材(ウレタンマット)などの資材に付着して果実感染する。本病菌は接合胞子と胞子のうをつくり、胞子によって感染するときは傷から侵入する。出荷用の段ボール箱の中で発病すると、気中菌糸で次々と伝染する。この場合は傷がなくても発病する。

防除

収穫かご、収穫・運搬用コンテナ、選果場、荷造り場所などは、いつも清潔にしておく必要がある。収穫・運搬用コンテナなどに敷くウレタンマットなどの緩衝材を繰り返して使用する場合は、塩素系消毒剤などに浸けて殺菌し、水洗いを十分に行って、天日で乾かしたものを使用する。また、収穫時に濡れている果実は、なるべく果実に傷をつけないようにていねいに取扱う。

収録:防除ハンドブック「 モモの病害虫

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