診断のための特徴的な写真を掲載し、被害、発生、防除について簡潔に解説しています。
葉、枝、まれに果実に発生する。葉では、6月頃から淡黄色の小さな角張った斑点を生じ、後に病斑の裏側に褐色の粉の塊のような夏胞子堆を生じる。夏以降、多発した場合には早期落葉し、激しく落葉すると樹勢の衰弱につながる。一年生枝では、年内に紡錘形でやや盛り上がった黄褐色の病斑を生じ、春先には縦方向に亀裂ができ、褐色の夏胞子を生じる。果実にはまれにややへこんだ斑点病斑を生じる。直径1〜5mm大の円形〜不整形、赤褐色〜褐色の病斑で、ひび割れたり、ヤニを分泌することもある。有袋栽培では、収穫時にはじめて発病に気づくことがある。
病原菌は枝病斑で越冬し、春先に枝病斑に生じた夏胞子が飛散して、葉や果実に伝染する。例年発生の多い産地と少ない産地があり、圃場の菌密度が影響していると考えられる。発生しやすい樹体の要因や気象条件などについてはよくわかっていない。本菌は、イチリンソウ、スハマソウに寄生するとの記載もあるが、実際にはモモでの夏胞子世代のみが認められ、モモ上での生活環が主体と考えられる。
本病に対する登録農薬はないが、本病の発生園において、5〜9月に黒星病や灰星病の登録農薬の散布を定期的に行った樹で、秋期の本病の発生が少なかった事例がある。
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