診断のための特徴的な写真を掲載し、被害、発生、防除について簡潔に解説しています。
軽〜中症の場合、葉色が薄く、新梢伸長が悪くなったり、成熟時期や落葉時期が早まるなどの症状がみられるが、病勢の進行につれて、樹が衰弱し、生育期間中や春先の発芽直後に樹全体が枯死する。枯死に至る過程は、病勢の進展程度や結果量などの栽培管理によって異なり、慢性的な場合と急性的な場合がある。地上部に上記のような症状がある樹の根では、太い根の表面に白~灰色の菌糸を生じ、病勢が進むと皮層部が暗褐色に腐っており、白色で扇状の菌糸束がみられる。根の木質部が腐敗すると折れやすくなる。
本菌は土壌中では5〜30℃で生育し、25℃が最適で、40〜80%の土壌容水量でよく生育する。本病は新しく開墾した畑より、熟畑に発生しやすく、保水力が良く、通気性も良い土壌で発生しやすい。苗の定植時に、土中に雑木の枝や根のような粗大有機物や未分解のバーク堆肥などを入れると発病が助長される。着果過多、断根、干ばつなどで樹勢が弱ると発病しやすい。
早期発見が肝要で、軽症のうちに治療すれば効果が期待できる。圃場の一部の樹で発病した場合には、他の樹でも発病している可能性が高いので、主幹付近の根を掘り上げて観察する。軽症樹では、薬剤を土壌灌注する。その際、外科的な治療(枯死根は切除し、罹病根表面の菌糸をワイヤーブラシで削り取る)を行い、薬液を灌注しながら埋め戻す。地上部の衰弱がみられる場合には、病勢がかなり進行しているので、早めに伐採して改植する。その際、前作の根は十分に除去する。再発防止のため、定期的に主幹部周辺に薬剤を灌注する。有機物は完熟したものを施用し、着果過多などによる樹勢の低下を防ぐ。主幹の地際部付近が長期間にわたり多湿状態にならないようにする。専用の機器で45℃の温水800〜1,000L/樹を点滴処理すると治療効果がある。
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