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ハンドブック モモの病害虫

診断のための特徴的な写真を掲載し、被害、発生、防除について簡潔に解説しています。

根頭がんしゅ病

Rhizobium rhizogenes
《病原》細菌 《発病》根、主幹、主幹地際部、主幹接ぎ木部

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根頭がんしゅ病
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枯死した発病樹 Ⓒ那須英夫

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幼木の根の基部に生じたがんしゅの集塊 Ⓒ川口章

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地際部に生じたがんしゅ Ⓒ那須英夫

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幼木の主幹部のがんしゅ Ⓒ川口章


被害

こぶ状のがんしゅは根、主幹、主幹地際部、主幹接ぎ木部などに形成される。はじめは淡褐色の球状で柔らかいが、次第に融合して、暗褐色、不整形で表面が粗造となる。主に地際部直下の根や主幹の地際部および接ぎ木部などに、大きいもので直径数㎝のがんしゅを形成する。軽微な場合は樹勢への影響は少ないが、激しい場合は多数のがんしゅが形成され、特に苗木や若木では樹勢が衰弱し、枯死する場合もある。

発生

本菌は土壌中に生息し、農作業や食害によってできた根および主幹基部の傷口などから感染し、発病する。穂木の母樹が本病菌に感染していると、それを用いた苗木は保菌していることが多く、植え付け後に発病に至る。春先に凍害を受けると、発病が助長される。アルカリ性土壌や排水不良の土壌で発病が多い。生育期間中の傷からの病原菌の侵入は、付傷後1週間程度までとされている。

防除

苗木の育成時は、健全な母樹から穂木を採り、健全な台木に接ぎ木し、病原菌に汚染されていない苗圃場で育成する。苗木の植え付け時は、接ぎ木部が地表面から高い位置になるよう深植えしない。農作業による主幹基部や根への付傷を避ける。幼木時の主幹部に防寒対策を行う。発病樹を治療する農薬はないが、軽症樹では栽培管理等で樹勢維持に努める。

収録:防除ハンドブック「 モモの病害虫

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